NIジャパン メールマガジン


-本誌を定期購読していない方でもメールマガジンは購読できます-
<購読無料>

NIの記事の翻訳、イベント情報などを掲載し(不定期発行)

メルマガ サンプル

****************************************
■NIジャパン メールマガジン■
           第175号 2017.5.17

【1】NI英語版最新号 <2017年5月号>
  Freedom in sight?
  西パプアの自由と解放

  ※6月号 ホームレス

【2】最新号からのオンラインリポート
(1)汚れた銀行(ヨーロッパ)
(2)気候変動危機で空港拡張工事が中止に
  (オーストリア)
(3)市井の人々の声

【3】NIジャパンからのお知らせ
 NIジャパンブログアップデート

【4】NI的書籍情報:書評
『国際政治史における軍縮と軍備管理
          19世紀から現代まで』
→世界は武器の流れをどんな理由でどうコン
トロールしようとしてきたのか。これを概観
した書籍が出版された。「平和への権利国際
キャンペーン」でも活動する弁護士の笹本潤
さんにお願いした書評を掲載する。
****************************************

====================
【1】最新号<2017年5月号> 英語版
  Freedom in sight?
  西パプアの自由と解放
====================
西パプアは、自由と惨事のはざまに置かれ、
予断を許さない状況にある。今月は、インド
ネシアの占領下に暮らし、解放を目指して闘
う人々の声をお届けする。メラネシア音楽の
団結力について学び、パプア人の弾圧によっ
て利益を得る採掘企業について暴き、自分た
ちが望む新しい国の構想を練る先住民リーダー
たちの話を聞く。

http://www.ni-japan.com/webold/toc502.htm

★5月号のKeynote(主要記事)の翻訳は、6
月初旬頃にアップします。
http://www.ni-japan.com/webold/keyn/nij148keyn.htm


====================
【2−1】最新号からのオンラインリポート
 汚れた銀行(ヨーロッパ)
====================
欧州中央銀行(ECB)は、社債の買い入れを
行って何十億ユーロもの資金をヨーロッパ経
済に注入している。その結果、石油とガス、
道路建設、自動車といった十数社に対するば
く大な補助金となっている。75のNGOや社会
運動団体の連名で出された公開書簡によれば、
ユーロ圏各国の中央銀行はこの政策によって、
気候変動と闘うというEU(欧州連合)の義務
とは矛盾した立場に置かれる。

2016年6月以来ECBは、このプログラムによっ
て毎月70〜80億ユーロずつ買い増しており、
これまでの総額は670億ユーロ(720億ドル)
は下らない。この債権は、基本的に企業が発
行したIOU(負債性証券)で、後日返済される
ものだ。ECBが債権を買うことにより、企業は
低コストで資金調達ができる。

ブリュッセルを拠点に活動するロビー活動監
視団体「企業化する欧州監視所」(Corporate
Europe Observatory)が公にした情報によれ
ば、主要な受益者には欧州最大の石油企業シェ
ル(11回社債が購入されている)、イタリア
の石油・ガス企業ENI(これまで毎回の購入
で16回に上る)、フランスの巨大石油企業ト
タル(7回購入されている)が含まれている。

75の団体は、ECBがすべての情報を開示し、
プログラムを根本的に変更し、公的な資金を
気候変動を悪化させるようなものに使うので
はなく、より賢い目標、例えば再生可能エネ
ルギーへの支援などに使うよう求めている。◆

by ケネス・ハー

※2017年5月号NI502 p7「Dirty banking
(Europe)」の翻訳です。


====================
【2−2】最新号からのオンラインリポート
 気候変動危機で空港拡張工事が中止に
(オーストリア)
====================
気候変動の懸念によって、オーストリア最大
の空港の拡張工事が阻止された。気候変動へ
の懸念による公共インフラの中止は、世界初
の出来事かもしれない。2月、オーストリア
連邦行政裁判所は、ウィーン国際空港に3本
目の滑走路を建設することによって生じる環
境と数百ヘクタールの農地に与える打撃が、
いかなる経済的利益をも上回る、という判決
を下した。

裁判所は、2016年には乗客2,300万人以上が
利用した空港に3本目の滑走路を建設するこ
とは、国内そして国際的な気候変動緩和義務
に違反する可能性があると主張した。

キャンペーン活動家たちは、滑走路によって
少なくとも35万人が直接的な騒音と大気汚染
の被害を受けるだろうと言う。

米国の「気候変動ではなく制度の変更を」と
いう環境団体は、「航空業は、健康被害、気
候変動、自然破壊といった外部コストをすべ
て社会に押しつけているため、もうかるビジ
ネスである」と述べている。

空港当局は、控訴する方針であることを発表
している。◆

by エイミー・ホール

※2017年5月号NI502 p9「Climate 1,
aviation 0 (Austria)」の翻訳です。


====================
【2−3】最新号からのオンラインリポート
  市井の人々の声
====================
インドネシアによる占領は、普通の西パプア
人の暮らしにどのような影響を及ぼしている
のだろうか? インドネシアの人権弁護士、
ベロニカ・コマンが、現在西パプアに住む人々
に話を聞いた。

★ロサ・モイヴェンドは、社会運動と自決に
ついて研究する独立した研究者で、また政治
活動家でもある。彼女は西パプア最大の都市、
ジャヤプラ在住だ。ロサの話を聞いてみよう。

西パプアに住んでいると、常に何かしら占領
を意識させることが起こります。毎日、人種
やその他のいろいろな差別、暴力などを目の
当たりにします。

さまざまな形の差別が毎日行われ、それが西
パプアでは普通のことになっています。イン
ドネシアによる占領は、単に領土の占領だけ
でなく、自分たちが自分たち自身をどう見る
かという、私たちの考え方を変えることにも
つながっています。学校で私たちは、特に私
たちの歴史に関してうそを教えられてきまし
た。それは一種の心理的隷属です。インドネ
シアの教育内容と原則によって、「私たちは
西パプア人だから、不公平に扱われても仕方
がない」と教え込まれてきました。

インドネシア政府が行う私たちのアイデンティ
ティの操作は、私たちを根幹から変える非常
に危険なものです。私たちの規範が、インド
ネシアの規範に置き換えられているのです。

私はこれを直接体験しました。私は以前、地
元テレビ局の午後のニュース番組でアナウン
サーをしていました。当時私は髪の毛を細か
いドレッドヘアにしていました。番組のプロ
デューサーが、髪型を変えるように私に言い
ました。国営テレビの基準に沿って「もっと
こぎれいに」見えるように、ドレッドヘアを
伸してストレートにするようにと言ったので
す。私は、この番組「パプア・レンズ」では、
パプアらしさを出すべきだと主張しましたが、
番組側は私の交代希望を出しました。その後、
私はカメラに写らない仕事に異動され、結局
番組を辞めました。私は現在もドレッドヘア
です。

2006年3月16日ジャイプールで、ドレッドヘ
アの人がみな逮捕され、髪の毛を切られてし
まいました。こんなことが2週間続きました。
この間多くの先住民たちが自ら髪を切りまし
た。私はそんなことをしたくなかったため、
長い間隠れて家に帰りませんでした。ドレッ
ドヘアは、単なるヘアスタイルではありませ
ん。私たちがドレッドヘアにしているのは、
レゲエが好きとかラスタ主義[訳注*]を信
奉するからといった意味ではなく、イデオロ
ギーなのです。それは私たちのアイデンティ
ティーなのです。ドレッドヘアの友人の多く
が私と同じように感じています。ドレッドヘ
アは、自由な西パプアのシンボルになりまし
たが、それはインドネシア政府によって思い
知らされたことに対する挑戦です。
*訳注:1930年にジャマイカで始まった社会
宗教運動。エチオピアのハイレ・セラシエ1
世を生き神としてあがめ、アフリカ出身者の
地位向上を目指した。自然体に価値を置き、
長髪や自然食・菜食などにそれが現れている。

私がまだ小さく学校に通っていた頃、ストレー
トの髪の毛の人を見るたびに、私も長くまっ
すぐな髪の毛だったらと夢見てきました。誰
もがそう思っていました。子どもが遊ぶおも
ちゃでさえ、他の人々のアイデンティティー
を反映したおもちゃでした。それは、化粧品
でも同じことでした。店では、私たちの皮膚
の色に合うようなフェイスパウダーは売って
いなかったのです。

幸いなことに、現在非常に強い抵抗が起こっ
ており、支持を集めています。「私は、カー
リーヘアと褐色の肌を持ったパプア人です」
とプリントされたTシャツが多数出回ってお
り、いろいろな都市の若者の間で人気が出て
きています。この解放運動は、物理的な抵抗
だけでなく、私たちの考え方にもかかわるも
のなのです。

女性たちは常にこの運動に参加してきました。
ただ、男性とは異なる役割を担ってきました。
西パプアの男性たちは、女性たちが担ってい
る役割の重要性を低く見て、それほど勇敢で
はないと言います。しかしこれは真実ではあ
りません。なぜなら、女性たちは特に重要な
リーダーシップで役割を担い、抗議活動があ
る時には積極的に街に繰り出しているからで
す。ママ・ヨセファ[別名ヨセファ・アロマ
ング、2001年のゴールドマン環境賞受賞者]
は、学校にも行っていない村人ですが、空港
とフリーポート社の鉱山の封鎖のために、女
性たちを組織化しました。男性には考えつか
ないことです。

現在状況は変化しています。運動はより開か
れ、進歩しています。女性はより多くの、そ
して異なる役割を担っています。これは国家
的な苦闘で、男女ともに責務を負っています。
すべての世代の人々が、協力し合って取り組
んでいく必要があるのです。◆

※2017年5月号NI502 p20-22「Voices from
the ground」の一部翻訳です。


====================
【3】NIジャパンからのお知らせ
 NIジャパンブログアップデート
====================
前回のメルマガ発行後、メルマガ掲載記事以
外でブログにアップした記事です。

アレッポへの市民マーチ
http://nijapan.blog.fc2.com/blog-entry-56.html

狙われる環境活動家(メキシコ)
http://nijapan.blog.fc2.com/blog-entry-59.html


====================
【4】NI的書籍情報:書評
『国際政治史における軍縮と軍備管理
          19世紀から現代まで』
====================
      平和への権利国際キャンペーン
            弁護士 笹本 潤
     http://www.right-to-peace.com/

この本のテーマである武器移転の規制という
と、日本政府がとってきた「武器輸出禁止三
原則」や最近の日米の武器の共同研究の動き
などで耳に入るくらいかもしれない。日本の
武器輸出禁止原則は、どちらかというと日本
国憲法9条から来る自己抑制的な意義と、武
器の拡散を防ぐという道義的な意味合いが強
かった。しかし、歴史的に見ると、敵に武器
を渡さないという自己保身的な意味合いを持っ
た時もあれば、非文明国には渡さないという
先進国側の都合による規制をしていた時期も
あった。

本書は、そういった武器の移転に関する歴史
を振り返り、今後の武器移転に対する規制に
対する課題を提起する。

序章は編著者による問題提起、第1章は1889
年のアフリカ銃貿易の規制について、第2章
は両大戦間における軍事力規制について、第
3章は戦間期の第2次ロンドン海軍軍縮会議の
交渉過程の分析、第4章はジュネーヴ軍縮会
議におけるイギリスとフランスの対応につい
て、第5章は戦間期の武器貿易規制交渉の分
析、第6章はアメリカの戦時在外余剰試算の
処分と武器移転について、第7章は冷戦終結
後の通常兵器移転規制、特に武器貿易条約
(ATT)について、という構成になっている。

終章で編著者が述べているように、本書には、
第2次世界大戦より前の時期の研究論文が多
く収められている。第2次大戦後の武器規制、
特に2013年に成立した武器貿易条約に対する
研究はまだ少ないものの、その点は編著者が
カバーしている。しかし、第1次世界大戦前
後の時期の武器や軍備に対する規制が、その
後の第2次大戦につながる影響を与えたのだ
とすれば、武器・軍事規制のあり方と国際秩
序のあり方の関係を考えるには本書は絶好な
のではないか。

たとえば、核兵器の規制に関する、核兵器に
対する不拡散条約(NPT)と現在国連で審議
されている核兵器禁止条約の二つの武器規制
のあり方は、核兵器を保有する国と保有しな
い国の関係をどう律するのか、に関わる。核
兵器の規制は、一方で非人道的な大量破壊兵
器の普遍的な禁止の要請と安全保障上の必要
性をどのようにバランスを取るかという問題
であるが、他方では持てる国と持たざる国の
力関係(国際秩序)を、どのように法でシス
テム化していくかという問題でもある。そう
いう点を頭におきつつ、読み進めていくと本
書により多くの興味が持てるのではないだろ
うか。

また、第7章で触れられている武器貿易条約
の審議過程も、賛成国、反対国の思惑が交差
する。国連では、すべての国連加盟国合意に
達した法的文書を成立させるために「コンセ
ンサス方式」が多く採用されている。「コン
センサス方式」は、よほどの強い反対や決議
すること自体に反対する国が出てこないよう
に、会議や非公式協議によって合意に導く審
議方式及び意思決定方式で、「全員一致制」
をより合理的に追求するテクニックである。
武器貿易条約においてもその点の交渉の困難
さは多く見られる。編著者は、この武器貿易
条約の審議にNGOメンバーと一貫して関与し
ていた立場から、この点の複雑さと考察を展
開している。

私もNGOとして関与した平和への権利国連宣
言も2016年12月に国連総会で採択されたが、
そこにおいてもコンセンサス方式の難しさを
感じた。西側先進国とそれ以外の国の合意が
5年あまりの審議を経ても解消せず、最後は
多数決で採択した。一つの国際秩序をつくろ
うとするルール形成の場において、現在の国
際関係の実態が見えてくる。その点を考察し
ていくにも、本書は材料を与えてくれている。

●『国際政治史における軍縮と軍備管理
          19世紀から現代まで』
榎本珠良編 著/日本経済評論社/2017年
/312ページ/4,200円+税
http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2460



≪また来月もお楽しみに≫


★ニュー・インターナショナリストについて

ニュー・インターナショナリスト(エヌアイ)
は、途上国と先進国の間に横たわる南北問題
について広く世界に問いかけるため、英国の
非営利団体(オックスファム、クリスチャン・
エイド、キャドバリー&ラウンツリー財団)
の支援によって1973年に創刊された国際情報
月刊誌です。1980年代からは協同組合となり、
独立メディアとして活動しています。草の根
の活動から国際的な動きまで、欧米主要メデ
ィアとは異なる切り口で世界を伝え分析する、
オルタナティブなメディアです。

詳しくはこちら
http://www.ni-japan.com/jintro.htm

****************************************
ニュー・インターナショナリスト・ジャパン
〒1150-0001
東京都渋谷区神宮前5-42-7
本田マンション301
TEL/FAX:03-6873-5935
 http://www.ni-japan.com
 http://twitter.com/nijapan
 https://www.facebook.com/nijapan.jp
 http://nijapan.blog.fc2.com
【当メルマガやNIマガジンに関する
 ご意見、ご感想をお寄せください】
 mlmag■ni-japan.com(■を@に変更)
****************************************


<まぐまぐ  メールマガジン登録/解除>

登録

メールアドレス:
解除
メールアドレス:

Powered by まぐまぐ











HOME