独裁政権下のビルマ(ミャンマー)の
漫画家たちの現実

Magician's tactics
New Internationalist No.387
March 2006 p21

 

2005年3月にビルマのアウンランで開かれたYae Yaeの個展で、突如50作品が公開禁止となった。この50作品のうち、すでに45作品は出版されていたにもかかわらずこの措置がとられ、軍事政権は個展に対して制裁を科した。

名前は明らかにできないが、あるビルマの有名な漫画家は、このような抑圧的な国で創作活動をすることに不満を感じてこう漏らす。「私たち漫画家は、本当の状況を表現することができず、詩のようなベールに包まれたイメージやシンボルを使うしかないのです。時々感じますよ。自分が手品師ではないかって。当局の目をごまかすためにはマジックが必要なのです。こんな独裁政権下で活動するアーティストたちが最もあこがれるのが自由です。抑圧、検閲、恐怖から自由になりたいのです」

ビルマでは、いかなる出版物でも出版前に出版物治安局(PSB)から許可を得る必要がある。記事、写真、イラスト、詩、マンガ、すべてに許可が求められる。作品の提出はもちろん、作者の経歴書の提出も必要で、従わなかった場合の罰則は厳しい。また、PSBに目をつけられると、事情聴取のために呼び出しがかかる。

特にひどかったのがU Pe Theinのケースである。彼は有名な漫画家だが、ある作品を発表した後、4年間出版を禁止された。その作品はすでにPSBの許可を得ていたものだった。しかしその作品を発表した日が、選挙結果の受け入れが拒否されアウンサン・スー・チーが自宅軟禁となった1990年のある日とたまたま同じとなった。この偶然のいたずらが、その作品により大きな圧力をもたらしたのである。

ビルマでは手紙の開封は当たり前で、電子メールや電話も盗聴されている。自宅軟禁もごく普通のことだ。その結果、多くの才能あるビルマ人漫画家たちは、国内で作品を発表することを実質的にあきらめている。しかし、海外に住むビルマ人が運営する歯に衣着せないウェブサイトがいくつもあり、そこでは優れた漫画が紹介されている。

文:マーク・ネスビット(漫画家のルーク・ワームとして知られる(英国))

「社会と政治に対する漫画の影響力」 

「ビルマ ─ 変革の時」

 

 


戻る