気が狂う前に助けてくれ
(世界のニュースより)
Making me craxy
New Internationalist No.425
September 2009 p17

アフガニスタンで行われている精神病治療は、患者の状態を悪化させるだけだ。

「アッラーが彼らに罰を与えているのだ」。木の回りに並ぶコンクリートの小さな部屋に鎖でつながれた12人について、Mia Zamanはこう語った。「つまり、我々は正気だが、彼らはアッラーの罰によっておかしくなったんだ」。彼らは犯罪者ではなく、アフガニスタン東部のジャララバードにあるZamanの小さな礼拝所で、精神病を治そうとしている人々だ。

近くの小部屋にしゃがんでいる男は自分の排せつ物にまみれ、水と食料を求め、鎖をはずすよう懇願している。彼は質問にも答えられないくらい取り乱した状態だった。この施設の責任者であるZamanによれば、彼は見知らぬ人々によって連れてこられ名前も分からないそうだ。「彼はここに来て8日たった。40日ここに泊まったら退院させることになる」、とZamanは説明する。「神は偉大だ。神が彼を治すだろう」。その小部屋は耐えられないほどのにおいだが、掃除はするのかとZamanに尋ねた。すると彼はこう答えた。「掃除は40日後にするよ」

このようなMia Ali礼拝所は、人口3,200万人のアフガニスタンに精神病患者用のベッドが150に満たない数しかないというこの国の現実を浮き彫りにしている。カブールの保健省によれば、30年にわたる戦争、高い失業率、ドメスティック・バイオレンス、極度の貧困により、国民の半数以上が精神衛生上の問題を抱えているという。これらの状況に加え、識字率と利用可能な保健医療施設の割合が世界でも最低レベルにあるため、人々はしばしば危険な行為であるにもかかわらず、言い伝えとして信じられてきたやり方で心の苦痛に対処している。
 17世紀のスーフィ(イスラム教の神秘主義者)であるMia Ali Sayedの子孫たちは、何世代にもわたり同じ仕事をこなしてきた。治療法は単純で、患者を40日間鎖につないでおくだけだ。「我々は慣習と伝統を保ち続け、薬は使わない」、と看護人のMia Shafillahは言う。「彼らには水と食事と祈るための部屋が与えられる。それで満足なはずだ」

Mohammed Khanは60歳。タマリスクの木に鎖でつながれている。彼の息子が様子を確認しようと電話してきた時、彼は満足していない態度を見せた。「やつらは私を退院させてくれないんだ。いつになったら出られるんだ?」、と電話口で涙を流した。「ますます悪くなってしまう。ここに来た時は足に痛みを感じていたが、今ではそれが背中に達し、頭痛までしてくる。気が狂いそうだ……私はおまえの父親だぞ。早く迎えに来てくれ」

彼の息子Rahmed Khanは、数日のうちに迎えに行くと言った。「父は子どものころから精神病に苦しんでいました。25歳の時にそこで40日間過ごし、回復したのです。だから今回また連れてきました」、とカーンは言った。「この礼拝所はとても有名なんです」

アフガニスタンでは、精神科の専門病院はカブールに1つだけだ。しかしそこも精神病患者用のベッドは40床しかない。精神科医のFeraidoon Ajamは、余裕も予算もなく患者を適切に治療することができないと言う。「患者の親類は、精神疾患の原因は悪霊が宿っているからだと信じており、それが病気だと説明するのは難しいです」。荒れ果てた病棟を周りながら彼は言った。「人々は病院に来る代わりに、そんな礼拝所やイスラム教の聖職者のところへ行ったりするのです。そんなことしても病気を悪化させるだけです」

保健省保健衛生局長のAlia Ibrahim-Zai博士は、Mia Aliの礼拝所を使うような行動を改めさせるのは教育しかないと主張する。しかし、変化は遅いと彼女は言う。「精神病治療の75%は地域医療に依存しています。私たちの主要な課題は、コミュニティーへの資金援助です。しかし支援国はそれには興味を示さないのです」

Ryan Fletcher
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