バイオ燃料ってどんなもの?
(抄訳)

Branching out
- Biofuels past, present and future

New Internationalist No.444
July/Aug. 2011 p28-29

1.薪
薪はバイオ燃料の本家本元である。火の発見からずっと変わらずに今も使われている。

テクニカルな用語について:「バイオマス」と言えば、通常は主に木のことを指す。
現在の利用:バイオ燃料の約9割は、小型調理用ストーブ[訳注:インフラ整備が十分でない開発途上国の農村部でよく目にする七輪のような物]に使われる地域の木、炭、動物のふんなどである。世界の人々の38%がこのようなエネルギー源に依存しているが、使用時の汚染によって毎年約150万人が死亡している。世界に最も大きな利益をもたらすバイオ燃料技術は、燃焼がよりクリーンなストーブの開発だと言える。

米国中に新しい「バイオマス」発電所が造られており、英国での建設も提案されている。だが、新たに必要となる年間数百万トンにおよぶ木をどこから調達するのかは、はっきり示されていない。


2.廃棄物からのメタン
下水や家庭ゴミから発生するメタンは、数千年前から使用されている。

テクニカルな用語について:バイオガスまたはバイオメタン
現在の利用:中国とインドでは、新しい嫌気性消化装置(食料の残りをメタンガスや有機肥料に変える)を使い、3,000万世帯が調理と暖房用のガスをまかなっている。また、乗り物の燃料として使える可能性もある。しかし、廃棄物は無限の資源ではない。そもそも、廃棄物をできるだけ出さないことが全体的なエネルギー消費量(そして炭素排出量)の抑制につながるのだ! 企業の中には、廃棄物ではなく栽培した作物を発酵させてバイオガスを作ろうと考えているところもある。しかしそれは、液体のバイオ燃料と同じ問題を引き起こすだろう。

....<略>....

6.農業廃棄物からの液体バイオ燃料
人間の食料にならない不要な部分(例えばトウモロコシの茎や葉)によって作られる。

テクニカルな用語について:第2世代バイオ燃料に分類されることもあれば、第3世代に分類されることもある。セルロース内の炭素から作られるセルロース誘導体である。
現在の利用:まだ研究開発の途上にある。地域レベルでは、きちんと管理が可能な燃料源としての可能性を秘めているが、大量生産では深刻な問題を引き起こす可能性がある。例えば麦わらのような「廃棄物」でも、さまざまなその他の使い道があるため、それを補完する何かほかの物が必要となるだろう。農作物は廃棄物でも天然の肥料として重要なため、やはりその代替物を見つける必要が出てくるだろう。


7.藻類バイオ燃料
海草や藻から作る燃料である。海やタンクの中で培養できるため、農地は不要だ。

テクニカルな用語について:第2世代、第3世代、第4世代と、人によって見方は分かれる。
現在の利用:「奇跡の燃料」と考えられているが、まだ開発段階である(実用化までに少なくとも10年はかかる)。現在提案されている大規模な海草養殖海域は、生物多様性の減少、生態系に対する想定外の連鎖的影響、肥料の拡散など、地上での単一作物栽培と同じ問題を引き起こす可能性がある。石油を生産する小さな藻をタンク内で培養するとしても、広い敷地、大量の水と太陽光を必要とする。そしてそこに不可欠なのが栄養素であるが、この栄養素を与える方法についてはまだ全く分かっていない。この点では、藻といえども食料作物と競合し、特にリン酸肥料についてはその可能性があると言われる。石油生産の効率を高めるため、遺伝子組み換えの藻類の開発が期待されているが、もしもそれが川や池などに漏れ出てしまったらどうなるのだろうか?


参考文献
WGBU, Future Bioenergy and Sustainable Land Use 2008; nin.tl/mig7A6(PDF)
Biofuels Digest nin.tl/itTSti
Dept of Biological and Agricultural Engineering, University of Idaho nin.tl/m7vYcF(PDF)
US Energy Information Administration nin.tl/kXqazR
World Bank Policy Research Working Paper 5364. Biofuels: Markets, Targets and Impacts, July 2010.
REN21, Renewables 2010: Global Status Report, September 2010. nin.tl/kKowSx(PDF)
ETC Group, The New Biomasters: Synthetic Biology and the Next Assault on Biodiversity and Livelihoods, February 2011.






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