資源収奪に抵抗する世界の先住民族
Touch the earth

New Internationalist No.470
March 2014 p22-23

埋蔵量が次第に減少する一方で需要が高まる中、資源を探す企業はより辺境地へ、そして先住民族が住む土地へ向かうことを強いられている。先住民族が祖先の土地での自決権を主張する世界のホットスポット7カ所の様子を、ジェン・ウィルトンが報告する。

【ペルー 木材】

衝突:世界中で行われている違法伐採は、森林を激減させ、生物多様性を損ない、気候変動を促進させる。世界銀行の推測によれば、いくつかの国では最大で伐採の9割が違法伐採になるという。取引業者とって主な市場は、北米、西ヨーロッパ、日本である。ペルーでは、アマゾンでの違法伐採が先住民族コミュニティーの生活に影響を及ぼし、貧困が広がっている。国際労働機関は、何万人もの先住民が違法木材取引にかかわることを強いられていると報告する。ペルー政府は、違法伐採を取り締まる法律を成立させたが、その産業の力は強力で、腐敗がはびこっている。

抵抗:2009年、広大な熱帯雨林地帯で伐採と石油採掘の許可を与えるという政府の計画に対し、先住民族の運動が巻き起こった。北部の地域バグアでは、辺境地のジャングルにある道路が抗議者によって封鎖されたが、数十人のアワジュン民族とワミ民族の抗議者が警察によって殺された。いくつものコミュニティーは土地のために闘い続け、徐々に協力し合うようになった。ペルーのアシェニンカ民族は、国境を越えてブラジルで同様の境遇にある民族と手を結び、違法伐採がはびこる地域で共同パトロールを行っている。

【ビルマ 銅】

衝突:中国経済の急成長によって銅の価格は急騰している。中国が支援するビルマ最大の銅山地域であるモンユワ銅山地域は、ビルマ北西部のサガイン管区にある。数千ヘクタールの農地が銅山として使われており、数百人が自分の家から追い出された。彼らのほとんどは先住民のバマー民族である。政府系の調査では、「不十分」な環境保護、住民に対して鉱山での仕事が提供されていないことが指摘されている。

抵抗:50年におよぶ軍事政権の支配に終わりを告げた2011年の選挙。それ以来、抗議活動は増えている。レパダウン鉱山(モンユワ銅山地域内にある)は、補償もなく土地が没収されたことを告発する地元の人々によってたびたび封鎖されている。2012年に起こった警察による暴力的な取り締まりにより、1カ月続いた封鎖が解除されたが、その時は抗議者のキャンプでリン酸塩の煙爆弾が使われ多数の負傷者を出した。レパダウンにおける警察と活動家の暴力をともなう衝突は、2013年の間も続いた。しかし、ビルマの厳しい法律の下では、抗議はリスクがともなう行動である。昨年8月、反鉱山活動では有名な指導者のひとりが、無許可の抗議活動を率いたとして重労働2年の判決を言い渡された。

【ギニア共和国 ボーキサイト(アルミの原料)】

衝突:ギニアには24の民族があり民族間衝突も起こっている。このことは、この国の多難な歴史の中で鍵となってきた。ギニアは、ボーキサイトの埋蔵量、そして輸出量でも世界最大の国である。また、トランスペアレンシー・インターナショナルによれば、この国は世界で最も腐敗した国上位30位以内に入る。世界のアルミニウム製造企業のトップ3(英国とオーストラリアが拠点のリオティント社、ロシアのRUSAL社、米国ベースのアルコア社)は、すべてこの国で操業している。ボーキサイトは通常は露天掘りで行われ、森林破壊、土壌流出、生息環境の破壊をもたらす。この国に
は豊かな天然資源があるにもかかわらず、貧困ライン未満の生活を送っている国民が半分を超える。

抵抗:鉱山に反対する人々は、鉱山会社によって供給される電気、水道などの地域的なサービスが不足していると抗議する。2008年、地域のコミュニティーで起こる停電をめぐって論争となり、抗議者はRUSAL社が操業する主要なボーキサイト鉱山であるキンディア鉱山を封鎖した。地域の人々は、輸出するボーキサイトを沿岸部まで輸送する鉄道を封鎖。その結果、警察によって少なくとも抗議者1人が殺され、数十人が負傷した。



No.470 Hooked on commodities(資源と食料をめぐる国際狂奏曲)



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