世界のさまざまな言語 ― その事実
(一部翻訳)
Languages big and small - THE FACTS

New Internationalist No.473
June 2014 p18-19

現在世界では、5,000から7,000の言語が使われている。しかしこれらの言語も、2週間に1つずつ消え去っている。言語学者らは、200年以内に言語数がたった200(およそ1カ国に1言語)となり、2300年までには地球上で全ての人々が1つの言語を使うことになるだろうと予測している。現存する言語の半分では、おそらく話者は1人しか残っていない。(1)

●誰の言葉?
・国の公用語は、人々が実際に話している言葉ではなく、植民地時代の影響や歴史的経緯、あるいは地政学によって決まることも多い。
・アフリカでは、90%の人々が自国の公用語に関する知識を持っていない。(2)
・欧州連合では、4,000万人から5,000万人(欧州連合の人口の10%)が自国の公用語以外の言語を使うことができる。(3)
・各国の中で使われている言葉で、公用語やそれに準ずる地位を得ている言語は、全体のたった4%である。(4)

●グローバルな言葉
・私たちが使う言語はすでに限られてきている。世界人口の96%は、世界の言語のうち4%を使っている。

<使用人口上位20の言語>(1) 
第1あるいは第2言語として使っている人数

中国語(北京語) 10億5,200万人
      英語  5億800万人
   ヒンズー語 4億8,700万人
   スペイン語 4億1,700万人
    ロシア語 2億7,700万人
   ベンガル語 2億1,100万人
  ポルトガル語 1億9,100万人
ドイツ語(標準語)1億2,800万人
   フランス語 1億2,800万人
     日本語 1億2,600万人
  ウルドゥー語  1億400万人
     韓国語   7,800万人
  中国語(呉語)  7,700万人
    ジャワ語   7,600万人
    テルグ語   7,500万人
    タミル語   7,400万人
 中国語(広東語)  7,100万人
 マラーティー語   7,100万人
   ベトナム語   6,800万人
    トルコ語   6,100万人


・上位10言語のうち、6言語が旧宗主国の言語である:英語、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語。(1)
・話者が100人未満の言語は500弱あり、話者が1,000人未満の言語は約1,500、話者が1万人未満の言語は3,340となる。(5)

●多くの言語が使われている国々
・言語の多様性を保っている国も存在する。パプアニューギニアは人口650万人であるが、最も多くの言語が使われている(836言語)。ヨーロッパは多様性が最も少ない大陸で、世界全体の言語の3%が使われているにすぎない。(11)

●教育について
・ほとんどの人々にとって、母語での教育はぜいたくであり、権利にもなっていない。
・文字を持つ言語は、全体の3分の1に満たない。(7)そのため識字教育は、国の主要言語で文字を持つ言語が優位的である。
・アフリカでは、87%の人々が母語での教育を受けることができない。(8)
・教育に使われている言語は、世界の言語の10%にも満たない。(8)

●デジタルの時代
・ソーシャルメディアとインターネットは、世界中に散らばる言語使用者を結びつけることによって、絶滅危惧言語を再活性化する可能性がある。
・2000年には、少なくとも500言語がインターネット上に何らかの形で存在していた。(5)
・2012年にFirstVoices(9)が開発したiPhoneのアプリにより、FacebookとGoogle Talk上では北米、オーストラリア、ニュージーランド/アオテアロアの先住民族の言葉で書き込んだり、Eメールを送ったり、チャットができるようになった。
・ウィキペディアでは、250言語で情報が掲載されている。(10)
・マイクロソフトのローカル言語プログラムにより、ソフトウェアでの使用可能言語が100あまりとなったが、それでも文字を持つ言語の6%にすぎない。(10)


(1) Nicholas Ostler, Empires of the Word, 2005
(2) WF Mackey, 'Status of languages in multilingual societies', in Status and Function of Languages and Language Varieties, 1989
(3) Suzanne Romaine, 'Politics and policies of promoting multilingualism in the european union', Language Policy Vol 2 Issue 2, May 2013
(4) Daniel Nettle and Suzanne Romaine, Vanishing Voices, 2000
(5) David Crystal, Language Death, 2002
(6) http://www.ethnologue.com
(7) David Harrison, When Languages Die, 2007
(8) Suzanne Romaine, 'Keeping the promise of the Millennium Development Goals: Why Language Matters', Applied Linguistics Review Vol 4 Issue 1, March 2013
(9) http://firstvoices.com
(10) David Harrison, The Last Speakers, 2010.
(11) Council of Europe, http://nin.tl/1qz6ovw



No.473 Speaking out for a multilingual world(世界の言語の消滅を防げ)


オンラインリポートは、メルマガで配信1カ月後ウェブサイトに掲載します。リポートを1カ月早く読めるメルマガはこちら登録できます。





オンラインリポート一覧へ