今こそトービン税導入を! Time for Tobin
(New Internationalist No.342
January/February 2002 p29)

金持ちに課税する、その税収を貧しい国へ配分し貧困から抜け出す一助とする、うまく機能しない市場を調整する..... これらは名案ではないか?1972年、ノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者ジェームス・トービンは、この3つすべてを含んだ分かりやすいアイデアを思いついた。それは、有害な通貨投機に少額の税を課し、その税収を開発に使うというものだ。

たとえ0.1%程の税率でも、年間3900億ドルの税金を徴収することができる。これは、現在の開発援助の実に7倍ものレベルである。

貧困解決を目指して活動しているイギリスのWar on WantというNPOは、1998年からこの税金についてキャンペーンを行っている。他のヨーロッパ各国のNPOやキャンペーングループと共に活動し、最近では重要な成果を出している。

イギリスのゴードン・ブラウン蔵相、ベルギーのギー・ヴェルホフスタット首相、フランスのリヨネル・ジョスパン首相、ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、ヨーロッパ各国の首脳に対して、この税金について今後数ヶ月間で真剣に考えてほしいと声明を出した。カナダ、フィンランド、インド、ブラジルは様々なレベルでの支援を表明した。

経済学者によっては、主要な国々のほとんどがこの税金の条約を批准する必要があり、また通貨取り引きを単に海外に押しやってしまう結果に終わるだろうから実行はできないと主張している。しかし、昨年起こったアメリカでのテロを受けて、ブッシュ政権は即座に国内の証券取引にてこ入れを行い、テロリストグループの不正資金浄化阻止のための非課税地域の閉鎖を検討している。重要な目的のために行われたこの市場への介入力を見れば、通貨投機規制の導入の前に立ちはだかる解決不可能な壁などは無いと言える。

貧困解決と開発キャンペーンの活動をする人々が求めるのは、利益よりも人間を第一に考えるような世界である。しかし、私達は長いこと現実的な提案をすることができなかったが、トービン税はその一番現実的な解決方法といる。

文: Carolyne Culver (War on Want)  訳: 諸 英樹


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