企業犯罪防止に全力で取り組む

Stop the rot at the top:
corporate crimebusters
(New Internationalist No.358
July 2003 p28)


<適切な法律を作れ>

●企業の人格は認められない
the Program on Corporations, Law and Democracy (POCLAD)
企業は法律上、ひとつの個として認められている。そのため、企業を所有したり運営したりしている人間は、企業活動によって生じる責任から守られているが、POCLADはこれに挑戦している。講演ツアーや興味深いレポートの出版を行い、人々が企業に対する認識を深めるようキャンペーンを繰り広げる。ウェブサイトには、企業支配の現状を皮肉った素晴らしいイラストが掲載されている。ダウンロードも可能。
www.poclad.org

●知らない事は致命的
the International Right to Know Coalition
この連合体は、南の国々で行われている企業の秘密活動を解明すべく、米国を拠点とする団体の活動家達によって作られた。それは、一般の人々が企業活動について知る権利こそが、秘密裏に行われる犯罪に対抗する最高の手段であるという考えを基本としている。ビルマのユノカルやペルーのニューモントマイニングから、トイザラスやディズニーやマクドナルドに製品を供給している中国の玩具工場に至るまで活動の対象としている。連合体として企業特権にメスを入れる第一歩は、知る権利についての厳格な法案を世界中で作ることにある。
www.irtk.org

<奴らから目を離すな>

●企業の権力を監視する
Watch movement
この運動は、企業の権力と活動に関して批判的な分析調査を続けてきた。インドの企業犯罪についてはwww.corpwatchindia.org、米国はwww.corpwatch.org、英国はwww.corporatewatch.org に詳しく情報が掲載されている。カナダでのトラブルについては、 www.straightgoods.org に多数の情報がある。オーストラリアについては、「Friends of the Earth Australia」 www.foe.org.au が詳しい。ニュージーランド/アオテアロアの情報源としては、「Campaign Against Foreign Control of Aetearoa」 www.converge.org.nz/watchdog/ が良い。また、ウィスコンシン州マディソンに本部がある www.prwatch.org は、広告業界と、企業犯罪を包み隠してしまうそのPR手法についての監視を行っている。

●賄賂との格闘
Transparency International(TI)
ベルリンに本部を置く団体。企業による贈収賄について監視し、そのやり口を研究している。TIは、現在よりも厳格な法律と罰則を求めてTIはロビー活動を行い、毎年「世界汚職腐敗報告書」を発行している。この報告書は、世界中の活動家と記者達のエネルギーが詰まった、献身的活動の賜物である。
www.transparency.org
nvc.halsnet.com/jhattori/TI/ (TI日本語自動翻訳版ウェッブ)
www.globalcorruptionreport.org/download.shtml (世界汚職腐敗報告書2003年日本語版はここから閲覧可)

<恥をさらせ>

●スウェットショップ[訳注1]「年間最優秀小売業者」賞
Maquila Solidarity Network
カナダのトロントに本部を置くこの団体は、毎年コンテストを行い、年間最優秀スウェットショップ賞を有名ブランド企業に対して贈っている。今年1月、28カ国から2,000人あまりの人々が、「年間最優秀スウェットショップ」2002の名誉に値する企業にオンライン投票をした。今年の受賞者は、他を圧倒したウォルマートで、56%の票を集めた。この世界最大の小売業者は、世界中のスウェットショップで衣料品労働者を酷使し、北米に展開する販売店の従業員の権利をも侵害しているとして告発されている。その他にも次の様な罪を犯している。

・ウォルマート製品の縫製を行っているレソトにある20の工場の労働者は、1日14時間労働で月給は54ドルであるが、この金額では労働者の基本的なニーズの半分も満たすことができない。ウォルマートに製品を納めるある工場では、超過勤務が発覚しないようにするため、日曜出勤をタイムカードに記録しないように命令されているとの報告がある。

・米国のウォルマートでは、組合を組織しようとする「アソシエイツ」(ウォルマートでは従業員の事をこう呼んでいる)に対し、嫌がらせ、脅迫、報復が行われているとの告発がある。また、女性差別、サービス残業(定時にタイムカードを打刻させた後に仕事をさせる)の圧力もある。

・ウォルマートは、従業員の死亡によって利益を受けているとし告発された。35万人の従業員に生命保険を掛け、その受取人を家族ではなくウォルマートとしている。企業が掛けるこの種の生命保険は‘dead peasant’ [訳注2]生命保険契約として知られており、この保険自体は米国の多数の州で合法ではある。しかし2002年の始め、テキサスの企業はこの保険に関して訴えられ、保険プログラムをキャンセルした。

このネットワークは世界中の団体と協力し、スウェットショップで働く人々の現状を公にし、労働環境改善のために労働者達が自ら組合を作る権利を守るという活動を行っている。また、素晴らしい書籍を数多く出版している。
www.maquilasolidarity.org

●ダウ・ケミカル社とバーソン・マーステラ社のパロディサイト
あるウェブ活動家が皮肉たっぷりのウェブサイト Dow-Chemical.com を立ち上げた。そこでは、ユニオン・カーバイド社(ボパールの化学工場の毒ガス事故を引き起こした)を買収したダウが、その事故の責任を取ることができない「本当の理由」を発表している。彼はまた、 www.BursonMarsteller.com というパロディサイトを立ち上げ、いかがわしい広告代理店の活動を暴露した。どちらの企業も、これらのウェブサイト閉鎖へ向けて手を回した[訳注3]。バーソン・マーステラは、米国のハンプシャーカレッジの学生ポール・ハーディンを訴えた。インドからオーストラリアに渡る国々で、これらのパロディサイトを支援するためのパロディサイトがいくつも立ち上がった。ハーディンは、自らの裁判の経過をウェブサイトに載せている。これらの出来事の情報や、ウェブサイトで繰り広げられる運動については、 www.rtmark.com で見ることができる。このサイトは、「企業による民主的プロセスの破壊」を明らかにするために運営されているものだ。


[訳注1]スウェットショップ(sweatshop)とは、低賃金で長時間労働を強いる工場のこと。
[訳注2]日本でも企業は、団体保険やグループ生命保険を従業員に掛け、死亡時の慶弔金や退職金に充てているが、やはり米国と同じように、保険金支払いをめぐって遺族と会社の間でのトラブルは起こっている。
http://www.hereinreality.com/deadpeasant.html(米国の状況)
http://www.jil.go.jp/kikaku-qa/hanrei/data/227.htm(日本での事例)

http://www.jil.go.jp/kikaku-qa/hanrei/data/174.htm(日本での事例)
[訳注3]現在どちらのサイトも閉鎖されてしまった。



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