2007年10月号


幼稚化する政治
Big babies ─ Dumbing down politics

 

人間は幼稚化する(成長を止める)ことがあると精神分析医たちは考えているが、有力政治家たちはそれを好都合なことだと思っているようだ。政治家と政治関連業界(スピンドクター、世論調査会社、広告代理店、ロビイストなど)は、さまざまな手段を使って政治に対する私たちの積極的な関与を変化させ、単なる受け身姿勢に転じさせようとしている。そうなれば民主主義という制度は、虚無なからっぽな場所になり、政治支配層と政治関連業界によって操られやすくなる。

しかし、すべての人々を常にごまかすことはそうたやすいことではない。今月のNIでは、社会と政治における成熟した大人としての思考方法について考えてみる。

 

この号のご注文はこちらから→      セット(英語版&日本語版)    英語版    日本語版


● NI No.405 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 読者の声

4 民主主義をむしばむ幼稚化 <NIJ>
政治家と有権者をむしばむ幼稚化によって、民主主義に危機が迫っている。世界で起こっている幼稚化が原因と見られる問題について報告する。

7 今日の政治を覆う幼稚化とは  <NIJ>
政治家が使う子どもだましの手法にはどのようなものがあるのだろうか。よく使われる手法を見てみよう。

8 考える力を奪う幼稚化
消費に夢中になったり、楽しいことに目を奪われたりする一方で、問題を誰か他人のせいにしたり、必要以上の不安にさいなまれたりする人々。政治の幼稚化を進める者たちは、さまざまな手法と主張で人々を惑わす。

10 偽りの庇護の下で <NIJ>
恩着せがましく振る舞ってきた西洋の心理の歴史的源流にさかのぼり、インド人研究者がその正体の解明に挑む。

12 陰謀という誘惑の言葉
現体制への抵抗者たちは、子どもじみた政治の破壊行為にきちんと立ち向かえていない。政治の幼稚化に抵抗する彼らがその犠牲になってしまっている理由とは何か?

15 成熟した大人流の考え方 <NIJ>
成熟した大人として暮らしていくためにはさまざまなことを自分で考える必要がある。単に人に追従するだけでなく、自分で判断することが必要である。

18 魔術的思考と政治家の幻想 <オンラインリポートに掲載>
幼稚化に侵された政治指導者たちの考え方とは。

   ⇒この記事を読む

20 ママとパパから自立して自分で考えるための11のヒント <NIJ>
実際にはどんなことに気をつけて考えたらよいのか。そのヒントを見てみよう。


【Special Feature】
21 少女たちの権利はどうなっているのか
女性の活躍がめざましい今日、少女も少年と平等に扱われていると思いがちである。しかし最近の調査は、それとは異なる状況を明らかにした。少女だからという理由で、依然として差別を受け、虐待され、見下されている。


25 世界のニュース <NIJとメルマガで一部を掲載/配信>
核実験場だったビキニ環礁の人々/インドでの性教育(保健)/タカ派!?が始めた先住民擁護の運動(先住民の権利)/私たちのスラムを守れ!(アルゼンチン)/ほか

*メールマガジンの登録はこちらから

28 ビッグバッドワールド(風刺漫画)<NIJ>
公平さに関する新たな概念について。

29 ワールド・ビーターズ
独断的な英国のコラムニスト、クリストファーとピーター・ヒッチェンズの兄弟は、極左的な考えから極右的な考えへ転向するというイデオロギーの旅を終えたところである。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 南の国からの一コマ
アフガニスタンの女性写真家の先駆けのひとり、ファルザナ・ワヒディが撮ったブルカとハト。

33 モンテビデオで考える
サッカーに傾倒するウルグアイという国と人について。

34 エッセー:イスラエル、パレスチナ、そして偽善の力
現在の米国─イスラエルによる「プロジェクト」が進めば、私たちはまれに見る陰鬱(いんうつ)な国家の崩壊というものを目撃することになるのかもしれない。ノーム・チョムスキーが現状を分析する。

36 世界の国のプロフィール ― スリランカ<NIJ>

 

ページトップへ

● NIジャパン No.93目次 ●

(本文は日本語です)

 


1 イントロダクション ─ 親離れと子離れ

2 民主主義をむしばむ幼稚化 (NI p4-6の翻訳)

私たちを子ども扱いする政治文化をリチャード・スウィフトは危ぐしている。

 「もっと成長しなさい!」 私たちはみなそう言ってきたし、またそう言われてもきた。それは好意から出る言葉でもあるが、たいていは実際の行動に対して発せられる言葉である。とはいえ、誰もが子どもじみた衝動にかられたりそんな反応を示したりするような心理的な傾向を持っている。
 だが、文化全体と政治が、そうした子どもじみた衝動に応えようと組織的に動いていたらどんなことになるのだろうか? ジークムント・フロイト[訳注:オーストリアの精神分析医・心理学者で、精神分析の創始者]は、現実の生活の問題やジレンマに対処することを避けるために子どもじみた状態にとどまったり立ち戻ったりすることを「幼稚化(infantilization)」と呼んだ。それは、ナルシシズム(自己愛)、魔術的思考(magicalthinking)[訳注:物事の結びつきや因果関係において、関係性や必然性が客観的に検証できない考え方]、見えない友人や敵の存在を信じ込む、架空の父(権威者)的象徴や母(養育者)的象徴の庇護を求めるなど、さまざまな形態となって現れることがある。いずれの反応も、自治を伴う民主主義(市民は、直面する問題と折り合いをつけ、集団的な決断を下すことが必要であるという考えを基礎とする)にとっては不健全なものである。しかし、統治を行う政治支配層にとって、特に人々の意識を自分たちの権力の行使と特権の享受に向けさせないためには依然として便利なものであることは明らかである。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

8 今日の政治を覆う幼稚化とは (NI p7の翻訳)
今日の幼稚化に至る歴史的背景の概略図を、アシス・ナンディが描く。

 幼稚化の起源は19 世紀にさかのぼる。それは、大西洋の奴隷貿易と現代の植民地主義への反応であった。恐らくこのふたつの活動が、グローバル化へ向かう初めての本格的な試みだと思われる。大陸間で生きた人間の取引をし、四大陸にまたがる眠ることのない政治経済活動は、まぎれもないグローバル化のしるしではないだろうか。無理もないと思われることは、北米の奴隷制の遺産である制度化されたあからさまな人種差別主義を取り除き、植民地主義を終わらせるためには、世界規模の戦争が必要であったということだ。
 啓もう主義[訳注1]がヨーロッパ社会に深く浸透した後に、奴隷制と植民地主義はグローバルな制度へと変化していった。このことを私たちは忘れてはならない。共和制主義[訳注2]、科学的な合理性、進歩という考え方は、政治において日常的に使われる言葉となった。実際にこれらは啓もう主義と関連ある考え方で、過去の植民地主義(あくどい搾取と略奪、そして宗教による正統性の追求を露骨に行ってきた)と現代の植民地主義とを区別するものであった。新たな植民地主義は、「文明をもたらす使命」と「白人の責務」を掲げ、自らを合理性の原則にのっとった進歩の伝導者であると考えていた。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

11 偽りの庇護の下で (NI p10-11の翻訳)

18 成熟した大人流の考え方 (NI p15-17の翻訳)

28 ママとパパから自立して自分で考えるための11 のヒント (NI p20の翻訳)

30 コンタクトポインツ
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本の情報源

32 世界の国のプロフィール − スリランカ (NI p36の翻訳)

36 世界のニュース (NI p25-28からの翻訳)
●タカ派!?が始めた先住民擁護の運動(先住民の権利)
●ビッグバッドワールド(風刺漫画)





NIジャパン目次トップへ



  ●バックナンバーリストへ