2007年12月号


企業の社会的責任
Corporate responsibility unmasked

 

「企業の社会的責任(CSR)」は、時代を象徴する最もホットなビジネス戦略のひとつである。ここ10年で、莫大な利益をもたらす産業がひょっこりと現れた。その産業の目的とは、ひとえに無情な企業のやり口を繕い、企業イメージをこぎれいに整え、うるさいキャンペーン活動家を黙らせることにある。今月のNIでは、規制を逃れ、批判を鎮め、評判の悪い企業活動から目をそらそうとして行われるCSRの実態と、企業のCSRに対する本音を探る。

 

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● NI No.407 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 読者の声

4 企業の社会的責任の現実 <NIJ>
今日、世界のどこへ行っても、企業は「企業の社会的責任(CSR)」を求める声からは逃れることができない。多くの企業が、さまざまなやり方で目につくような社会的な活動を行い、社会や環境に配慮した方針を打ち出している。それは喜ばしい現象ではあるが、本業で発生している社会への負の影響はそのままに、CSR活動ばかりが喧伝される傾向がある。そんな「グリーンウォッシュ」と言われても仕方がない虚実ないまぜの世界をのぞいてみよう。

8 見境のない企業活動の実態<一部NIJ>
CSR活動で有名な企業だからといって、本業でも真摯(しんし)に社会への影響を考えて活動しているとは限らない。利益のためなら消費者もあざむき、政府には必死に働きかけ、本業がもたらす社会や環境へのマイナスの影響も気にとめない。世界でも有名な巨大多国籍企業BP(石油会社)、ネスレ(食品会社)、アングロ・アメリカン(鉱物資源会社)、ウォルマート(小売会社)を例に、グリーンウォッシュの実際の手口を見てみよう。

10 CSRへの批判の声<一部NIJ>
コフィー・アナン前国連事務総長の発案でスタートしたグローバル・コンパクト。この企業と国連のパートナーシップを進めるプログラムは、グローバル化に伴う問題の解決を目標としているものだ。すでに多くの企業と、企業以外の団体も参加しているが、その有効性は疑問視されている。国連の「食料に対する権利」特別報告者、ジャン・ジグレールがその理由を激白する。また、搾取的労働環境の撲滅に取り組む活動家ジェフ・ボーリンガーが、途上国の工場での労働環境と多国籍企業の対応を報告する。

12 民衆 対 企業 ─ その歴史<NIJ>
企業のスキャンダラスな歴史と民衆の闘いの歴史。今日の企業支配に至る300年を振り返る。

14 企業をめぐる激論:改革か、それとも革命か?
<オンラインリポートに掲載>
企業に協力しながら企業を変えていくことで社会が変わると主張するジョナサン・ポリット(英国の持続可能な開発委員会委員長)と、企業には全く期待できないと考える環境活動家のクレア・フォーセット。この2人が火花を散らす討論の模様を収録。

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17 企業の社会的責任 ─ その事実

18 スモール・イズ・パワフル<NIJ>
企業がCSR活動に精を出すかたわらで、企業正義を求める活動が行われている。すでに数百年の間、企業が自らの手で不正義を是正できない以上、企業の自浄能力には期待できない。企業にはどのような物事について正義が求められ、人々はどのような考え方と取り組みによって企業に正義を求めているのだろうか。



【Special Feature】
21 イラク撤退の道
外国の軍隊による侵略とその駐留によって、いまだに悲劇が続いているイラク。当初から侵略に反対していた人々も、軍の撤退をどうしたらよいのか頭を痛めている。このセクションでは、撤退への5つの提案、米国の民主党内でぶつかるイラク駐留に関する異なる利害、イラクと同じような状況に置かれているインドのマニプル州の事例について報告する。

26 南の国からの一コマ
バングラデシュ人写真家が撮ったダルフール南部の避難キャンプの子どもたち。

24 世界のニュース <NIJとメルマガで一部を掲載/配信>
モロッコ占領下にある西サハラの行き詰まり/強制立ち退きのとばっちりを受けたウガンダの野生動物/米・中米間自由貿易協定とコスタリカ/気候変動条約会議にセカンドライフで出席/パレスチナ人難民キャンプを攻撃したレバノン軍/ほか

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30 ミクスト・メディア

本・映画・音楽の紹介

32 ビッグバッドワールド(風刺漫画)<NIJ>
招かれざる客と今風のライフスタイル。

33 ワールド・ビーターズ
「世界で4番目にパワフルな女性」と言われるフィリピンのアロヨ大統領。彼女がその地位にとどまっていられるのは、実は軍による反体制派への容赦ない弾圧のおかげなのである。

34 エッセー:内側から見るイラン
女性作家ナスリン・アラウィが語るイラン国内事情。

36 世界の国のプロフィール ― ラオス<NIJ>

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● NIジャパン No.95 目次 ●

(本文は日本語です)

 


1 イントロダクション ─ 木を見て森を見ず

2 企業の社会的責任の現実(NI p4-7の翻訳)


企業の社会的責任(CSR)の世界に思い切って飛び込んでみたジェス・ワース。そこで彼女が遭遇したのは、あきれてしまうだけでなく、社会の未来にとって有害で見過ごせない考え方であった。

 「炭素排出量を抑え、高い利益を上げましょう!」 その会合のプログラムには、人々の期待を高める誘惑的な言葉がちりばめられている。「地球温暖化は転換点を迎えました……賢いビジネスリーダーは常に一歩先を進んでいます……あなたはいかがですか? GreenCorp は、その方法を教えます!」
 NI の仕事をしていると、普段はめったに行けないところに行く機会にも恵まれる。しかし、まさか私がロンドンにあるけばけばしいミレニアムメイフェアホテルで、「ビジネス・カジュアル」というドレス・コードに合わせるための安いスーツと不自然に先のとがった靴を身につけ、リオ・ティント[訳注:英国の鉱物資源会社]やプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ボーダフォンのお偉方とお近づきになる機会を得るとは思わなかった。
 そう、私は、「気候変動と大企業の接点について考えるヨーロッパで最初のハイレベル会合」であるGreenCorp にやって来た。企業が、自分たちが倫理面、環境面に対する意識があるということを、どのように外部に向けて発信しているのか、その現在のトレンドを探るために参加したのである。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

12 CSRへの批判の声(NI p10-11の一部翻訳)

国連の「食料に対する権利」特別報告者のジャン・ジグレールが、国連が進める企業との「パートナーシップ」はまやかしであると主張する。

国連のグローバル・コンパクトは、「世界で最も大規模な、グローバルな企業市民(corporate citizenship)の取り組み」として誇らしげに宣伝されていますが、あなたはこの取り組みに対してどうしてそんなに批判的なのですか?

 グローバル・コンパクトは、コフィー・アナン前国連事務総長の発案で始まりました。国連憲章が対象としているのは国家だけですが、グローバルな資本主義の台頭により、突然多国籍企業が経済、マーケティング、イデオロギーの面でも政府より強大な力を持つようになりました。そのため、人権の尊重を普遍的なものとして世界で実践していくには、私たちには企業活動への対策が必要なのです。グローバル・コンパクトの考え方は良いのですが、行われていることは完全にまやかしです。[訳注1]
 1999 年にアナンがグローバル・コンパクトを提唱した時、彼は称賛を浴びました。ネスレ、ノバルティス、ジェネラル・フーズ(クラフト)、カーギルなど、3,000 社が参加しました[訳注2]。これらの企業
は、会社のレターヘッドに「弊社は国連グローバル・コンパクトに参加しています」と書くことができます。しかし、グローバル・コンパクトには何の強制力もないため、何の役にも立っていません。これらの企業は、連帯を深めたり、社会正義を追及したり、人権を尊重したりするためではなく、利益のために参加しているのです。例えば、企業がストライキをする権利を認めなかったとしても、そこには何の罰則もなく、グローバル・コンパクトは正にグローバル企業の利益のためになっているのです。彼らは何のおとがめもなく行動できるので大喜びです!

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

14 民衆 対 企業 ─ その歴史(NI p12-13の翻訳)

20 スモール・イズ・パワフル(NI p18-20の翻訳)

「企業正義」とはどんなものなのか? ジェス・ワースがその形を探して思索の旅に出る。

 やはり正直に告白しておくべきだと思うが、CSR というこっけいな茶番劇は、私にもその責任の一端がある。言い訳のように聞こえるかもしれないが、私が若く社会経験も少なかったその当時は、正しいことをしていると本当に信じていた。
 1999 年に私が初めて就いた正規の仕事は、学生が主体となって活動していたキャンペーンのコーディネーターという仕事だった。そのキャンペーンとは、英国の大学年金基金に倫理的な投資を働きかけるもので、とてもやりがいのある仕事だった。(1) 当時、倫理的な基準に照らして投資を行っている一般の年金基金は皆無だった。私たちは、世界でも最もたちが悪いとされたいくつかの多国籍企業(TNC)の株400 億ドルを保有する、英国で3 番目に大きな年金基金にねらいを定めた。
 私たちが実施したキャンペーンは革新的なものだった。企業は非常に力を持っており、ぼったくり、搾取、略奪、汚染、残酷な政権の支持、小規模農家いじめ、必須医薬品配布の妨害、基本的サービスの民営化など、この地球上のあらゆるところで我が物顔に振る舞っているが、このような企業を誰が押さえ込んでいけるのかと私たちは考えた。政府はその役割を担うつもりがない、またはできずにいて、その代わりに規制緩和の推進という道を選んでいる。キャンペーン活動家はそもそも少なすぎる。企業が法的に責任を負っているのは、株主だけである。従って、社会的良心を持つ株主が集まり、その権利を年金基金など機関投資家を通じて行使すれば、企業というカネもうけマシンに対して、実際に責任を果たすよう求めることができると考えたのだ。
 そして私たちのキャンペーンは成功した。その年金基金は方針を考え直し、大株主となっている企業との「かかわり方」について、革新的な「社会的責任投資」の方針を採用した。当時、それは大成功を収めたように感じられた。しかし、私たちは企業への縛りとなるような影響を行使したいと考えていたにもかかわらず、実際の結果は、企業を自主的なCSRという取り組みへ向かわせただけだった。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

27 見境のない企業活動の実態(NI p8-9の一部翻訳)

30 コンタクトポインツ
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本の情報源

32 世界の国のプロフィール − ラオス (NI p36の翻訳)

36 世界のニュース (NI p27-29、p32からの翻訳)
●強制立ち退きのとばっちりを受けたウガンダの野生動物)
●ビッグバッドワールド(風刺漫画)




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