2008年5月号

NI No.411 & NIジャパン No.99

ビルマ ─ 変革の時
Burma - Ripe for change

  1962年以来軍事政権の支配下にあるビルマ(ミャンマー)。軍事政権の稚拙な社会経済政策と過酷な人権侵害により、ビルマ人は45年以上も苦しめられてきた。現在も多くの人々が自由を渇望しながらも声を上げられない政治状況が続いている。

軍事政権は、自ら「国家平和開発評議会」と名乗りながらも強権的な支配を続けている。2008年1月、ビルマ独立から60年を迎えたが、この軍事政権のおかげで人々はいまだに植民地のような支配の下にある。皮肉なことに平和と開発は、この国で不足していて人々が手にしていない数多くのもののひとつであり、ビルマはあまり喜ばしくない低開発国という分類に含まれている。また、軍事政権と武装勢力の戦闘や、しばしば起こる武装勢力同士の戦いによるダメージが各地に見られる。

大勢の僧侶が先頭に立ってデモを行った2007年9月のサフラン革命は、当局による反政府運動の弾圧にもかかわらず勢いは衰えず、変革への希望を再び与えてくれるものだった。政権への抵抗の動きが広がるこのような時期にこそ、国際的な支援が必要である。

今回のNI & NIジャパンでは、恐れを抱きながらも勇気をふりしぼって行動し、自由への道を歩むべく必死に取り組んでいるビルマ国内外のビルマ人たちの動きを紹介する。


 

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● NI No.411 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 読者の声

4 ささやきの町<NIJ>
軍政下のビルマの町、ラングーンを訪れた今号の編集長ディンヤル・ゴドレジ。彼は気がつくと、言いたいことも言えず聞きたいことも聞けない「自己検閲状態」に無意識のうちに陥っていた。しかしそんな町でも、彼に向かってこの国の現状を話してくれる人々との出会いがあった。町の様子を伝えながら、この国の歴史と現状を報告する。


7 ビルマのあるニュース編集室にて
ラングーンのニュース編集室に働くある女性編集者の1日を通して、この国の報道と表現の自由について考えてみる。

8 軍事政権への反抗とその大きな代償<NIJ>
過酷な状況を生き延びてきた元政治囚の体験、訴え、苦悩、民主化への思いを聞く。

11 「すべての歴史はプロパガンダだ」

ビルマの識字率は実はそれほど悪くはない。しかし教育の内容を見てみると、それは軍事政権の都合に合わせて利用されており、恐ろしい限りである。

12 故郷を追われる人々
ビルマ軍と武装組織の戦闘の巻き添えを食う多くの村人たち。戦場と化した村を捨ててジャングルへ、そして難民キャンプへと逃れる人々に話を聞いた。

15 ビルマのテレビ放送
ビルマのTVではどんな番組で何を伝えているのか。ある日の番組表を見てみよう。

116 ビルマ ─ その事実<NIJ>
ビルマの経済、保健医療、情報インフラ、人権、軍隊、囚人のデータ・情報と、ビルマの軍事政権の懐を潤すことを知りながらも現地で操業する外国企業についての報告。

18 ビルマの民主化を目指して<NIJ>

ビルマの民主化運動に携わるビルマ人たちは、ビルマの将来をどう見ているのか?

20 軍事政権と手を結ぶ企業
各国の政治家はビルマの制裁に関して勇ましいことを言っているが、各国企業がそれに従っているわけではない。もうけ話があれば、企業はビルマの軍事政権と喜んで手を結ぶ。

21 アクション
ビルマの軍事政権と闘う団体、闘うための手段と不買運動について。


【Special Feature】

22 イエス・キリストは革命家か?
キリストはひそかに政治的な仲間を持っていた。そして彼のライフスタイルは明らかに急進的な反響をもたらした。彼は住む場所を持たず、物を所有することをひどく嫌い、社会からは疎外され、社会のはぐれ者たちと親しくし、金持ちと権力者にとっては災難であった。果たして彼は、国家を倒す使命を背負っていたのだろうか? 福音書にその痕跡を探す。



25 世界のニュース
聖なる海を救え/米空軍基地への抗議(ディエゴガルシア)/正義への道(債務帳消し)/避妊禁止の影響(フィリピン)/我々の石油から手を引け(イラク)/ほか

28 ビッグバッドワールド(風刺漫画)
ジョニ・ミッチェルの有名な歌より。

29 ワールドビーターズ
これまでこのコーナーでは、警察を取り上げたことはなかった。しかし今回、ジャマイカ警察が初登場という栄誉に輝いた。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 南の国からの一コマ
銃をアートに。モザンビーク人写真家の作品。

33 モンテビデオで考える
社会から疎外された者たちから見た歴史について。

34 エッセー:デリーのホームレスに会って
夜間に訪れたデリーのホームレス一時宿泊所で感じたこと。

36 世界の国のプロフィール:ウルグアイ<NIJ>

● NIジャパン No.99 目次 ●

(本文は日本語です)

 


A5判・モノクロ・48ページ
定価(本体600円+税)
ISBN978-4-8113-0237-9


2 イントロダクション ─ 長引く人災

3 考えるためのネタ帳
・「ビルマ」か「ミャンマー」か
・ビルマ小史(年表)

6 ささやきの町(NI p4-6の翻訳)


独立60周年を迎えるビルマ。だが軍事政権の支配によって、国内はまだ植民地支配が続いているかのようである。首都だったラングーン(ヤンゴン)を訪れたディンヤル・ゴドレジが、現地からその様子を報告する。

 その飛行機は誰も乗っていないかのように静かだった。後ろの方からエンジンの音が聞こえてくる以外、あとは落ち着かない静けさが機内に広がっていた。騒々しい観光客はおらず、時折短くかすかな話し声が聞こえるぐらいである。年老いたビルマ人男性が、慣れない手つきで入国書類を記入している。彼はその用紙を何度もひっくり返しながら眺めているが、記入項目の半分は空欄のままだ。私の隣には若い男が座っていて、首を伸ばして窓の外をじっと見つめている。彼はとうとう沈黙を破って口を開き、ロンドンの親せきを訪ねた帰りだと言って少しおしゃべりが始まった。私は彼の考えについていろいろと聞いてみたくてうずうずしたが、そこは言葉を飲み込んでじっとこらえた。私はすでに自己検閲という感染症にかかっており、ビルマで見知らぬ人と話すときにはいつもその症状が現れた。「誰が敵で誰が味方かは分からないでしょ」。これはのちにあるビルマ人に言われた言葉だ。
 飛行機が着陸すると、外国人が読みかけのニューズウィーク誌を放り出した。ビルマが持ち込みを禁止している物は多岐にわたる。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

17 軍事政権への反抗とその大きな代償(NI p8-11の翻訳)

ビルマ軍事政権は、いとも簡単に国民を国家の敵に仕立て上げる。そんな現実の中、生活と人生が破壊されようとも軍事政権と闘っていこうとする人々がいる。どんな修羅場をくぐり抜け、何を思っているのか、元政治囚に聞いた。

 ボウキは負債を背負っていると言う。その負債とは、彼が抱く道義心と関係があり、現在彼はそのために時間をささげている。インタビューが終わりに近づいたころ、彼はその話を始めた。
 「私は、民主化を求めてビルマ国内で現在も活動を続けている活動家や投獄されている活動家に対して尊敬の念を抱いています。彼らは逮捕されたり拷問を受けたりするリスクを十分承知しています。しかしそれでも活動を続けています。それは大変なことなのです。私たちがすべきことはただひとつ。彼らを支援することです。民主主義と人権を尊重するのであれば、それは当然のことです」
 当局の見解に異を唱えただけで反逆罪に問われるこの国では、このような抑えがたい衝動が政治活動家を突き動かしてきた。活動家たちを取り巻く状況は過酷で、例えば非合法化された団体「全ビルマ学生連盟(All Burma Federation of Student Unions:ABFSU)」のミンコーナイン委員長は、16 年近く独房に監禁されていた。独房では、何の寝具も与えられないままコンクリートの床に直接寝なければならず、食事(主におかゆ)は生きていく最低限の量しか与えられない。トイレは、運が良ければ小さな容器が与えられることもあるが、普通は部屋の片隅でするしかなく、排泄物はそこにたまってゆく。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

28 ビルマ ─ その事実(NI p16-17の翻訳)
ビルマの経済、保健医療、情報インフラ、人権、軍隊、囚人のデータ・情報と、ビルマの軍事政権の懐を潤すことを知りながらも現地で操業する外国企業についての報告。

34 ビルマの民主化を目指して(NI p18-20の翻訳)


 ビルマの将軍たちに亡霊のようにとりつき悩まし続けている民主主義は、彼らにとって頭痛のタネである。今後ビルマの国と民主化はどうなっていくのか? 運動に深く関わる人々の考えを聞く。

 軍事政権は、ビルマに民主主義をもたらすべく国外で活動する人々のことを、十把ひとからげにしてテロリストと呼んでいる。私はタイ北部で亡命している政治家や活動家に会って話を聞いたが、見事にその期待を裏切ってくれた。彼らは軍事政権の主張するような人々ではなく、概して平和を愛する人々であったのだ。
 ビルマ国内では、さまざまな制限や状況でがんじがらめにされている国民民主連盟(NLD)、88世代学生グループの活動家、少数民族の抵抗運動を率いるリーダー、不満を抱える市民、そして最近では僧侶などが闘いを続けているが、国外で活動する人々も自らこの闘いの一端を担っていると考えている。そこで私は彼らに難問をぶつけてみた。ビルマは今後どうなっていくのか?

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

41 もっと知るためのネタ帳
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本の情報源。

42 世界の国のプロフィール:ウルグアイ(NI p36の翻訳)


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