2008年11月号

NI No.417 & NIジャパン No.105

アフガニスタンからの証言 ─ 出口の見えない戦争
Through Afghan eyes - The war that won't end

  2008年に入りますます混迷を深めるアフガニスタン。7年前の米国の侵攻以来最も深刻な状況にあると言ってよいだろう。国際社会は、これまで100億ドル以上の資金と多数の軍人、民間人を海外から投入し、「テロとの戦い」と復興に取り組んできた。しかしその努力は暗礁に乗り上げ、現在窮地に陥っている。7年前に追放したはずのタリバンが復活し、人々の(積極的とは言えないものも含め)支持を集めるようになり、アフガニスタン政府と国際部隊への期待と信頼は失われてきている。そんなアフガニスタンの様子を毎日のように伝えるメディアは、アフガニスタン政府、米国、隣国のパキスタン、そしてタリバンなどの反政府勢力の動きばかりを追いかけてニュースとして流している。この国の本来の主人公である一般のアフガニスタン人は、悲惨な事件や戦闘の名も無き被害者としてわずかに触れられる程度である。しかし、来年の大統領選挙だけでなく、現在の「テロとの戦い」や復興支援にも民衆の協力が不可欠なことを考えれば、国際社会が彼らの声に耳を傾ける必要があることは明らかだ。今月のNIでは、主要メディアが伝えないアフガニスタン人の本音と日常を、アフガニスタン人のジャーナリストや専門家が報告する。

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● NI No.417 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 読者の声

4 瀬戸際のアフガニスタン<NIJ>
アフガニスタンについてさも知っているかのように振る舞ってきた欧米諸国。世界の他の場所でも犯してきた同じ過ちを彼らは繰り返し、この国の状況はどんどん悪化している。アフガニスタンの現状と、アフガニスタン人の声を聞く必要性について考える。。

6 国際部隊の過ち<NIJ>

現在アフガニスタンでは、外国の軍隊が治安維持に務め、「テロとの戦い」の主役として戦っている。そして、軍閥が経営する民間警備会社(PSC)の重武装したスタッフが、国際部隊の駐留地などを警備する。一方でアフガニスタンの軍と警察は、貧弱な装備・訓練・権限と、脇役という役割しか与えられていない。アフガニスタンの混乱に拍車をかけているこの現在の「国際部隊─軍閥のPSC─アフガニスタン国軍・国家警察」の関係と役割について分析する。

8 アフガニスタンの歴史<NIJ>
2500年も前から何度も外国の勢力にほんろうされてきたこの国の歴史を振り返る。

11 ブルカを乗り越えて
女性の人権侵害とイスラム原理主義の象徴としてよくやり玉に挙がるブルカ。しかし、タリバン政権が消えた後も、伝統という根強い観念の縛りによりブルカを脱がない女性たちもいた。だが、西洋の価値観や物の流入とともに、セックスからデート、政治やビジネスまで、女性の意識と彼女たちを取り巻く状況に変化が現れ始めている。

14 アフガニスタン ─ その事実<NIJ>
この国に犠牲を強いている戦争の影響から援助の実態まで、データで見てみよう。

16 司法の堕落
軍閥の親玉から政府の高官まで、力を持つ犯罪者が処罰されない社会。そのような慣習と法律がこの国をむしばんでいる。そしてまたこの社会では、男という力を乱用し、厳しい抑圧や暴力によって女性の権利を踏みにじる加害者が、涼しい顔で処罰されることもなく生活している。

17 正義を求める劇
司法の手から逃れた犯罪者とその犠牲者が多数存在するアフガニスタンで上映されている画期的な劇『AH5787』について。

18 人々の心の叫び<NIJ>
国際部隊の兵士と民間人から構成される地方復興チーム(PRT)。これは、学校や病院の建設などの復興支援によって人々の心をつかみ、テロとの戦いを有利にしようと進められているものだが、アフガニスタン人の支持を得ていないことは明らかである。PRTに関するアフガニスタン人の本音を探る。

20 援助資金はどこへ消えたのか?<オンラインリポートに掲載>
2001年以来、国際社会は100億ドル以上の援助をこの国に投入してきた。しかし民衆にしてみれば、その効果はほとんど実感できず、人々の援助に対する期待は薄れ、あきらめの心境と政府や一部エリートへの猜疑心が民衆の心を支配している。支援国側の都合で投入される援助の現実とは、いかなるものなのだろうか。
 →オンラインリポートを読む


21 アヘンで貯蓄
麻薬取引がアフガニスタンの治安悪化の要因ともなっているが、アヘンの原料となるケシは相変わらず換金作物として人気が高く、政府や米軍のケシ栽培根絶作戦にもかかわらず栽培は続く。そのアヘンを商魂たくましく利用する女性の話を紹介する。

21 アクション
NGOとキャンペーン・グループ、書籍、ウェブサイトの情報。


【Special Feature】

22 未来に向かってこぐペダル
将来のことを考えれば、自動車は自転車の足元にも及ばない。人気が高まる自転車について、自転車タクシーから竹製自転車まで、世界の自転車事情を報告する。



26 世界のニュース
ロマ人難民キャンプの鉛汚染(人権)/武力闘争へ向かうナイジェリアデルタの民衆(石油)/フェアトレードの成功例(バヌアツ)/パレスチナからの応援コール(米大統領選)/男性より女性の国会議員が多い国(ルワンダ)/ほか

28 オンリー・プラネット(4コマ漫画)

29 ワールドビーターズ
1987年から2006年まで米国の連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めたアラン・グリーンスパン。現在の資本主義崩壊劇の責任を追及するにはぴったりの人物である。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 ビッグバッドワールド(風刺漫画)
ブッシュ大統領とのつらい別れ。

33 ハバナで考える
キューバ社会の日常、さらには文化とも言える「行列」について考える。

34 エッセー:金融危機の読み方
フィリピン大学のウォルデン・ベロ教授が答える、現在の金融危機の裏側と今後。

36 世界の国のプロフィール:セントクリストファー・ネイヴィース<NIJ>


● NIジャパン No.105 目次 ●

(本文は日本語です)

 


A5判・モノクロ・48ページ
定価(本体600円+税)

ISBN978-4-8113-0500-4


2 イントロダクション ─ アフガニスタン人のためのチェンジ


3 瀬戸際のアフガニスタン(NI p4-5の翻訳)


欧米諸国はアフガニスタン人の声に耳を傾ける必要がある。それはなぜなのか? バネッサ・ベアードの報告。

 アフガニスタンでは、相変わらずぎりぎりの状況が続いている。この国と人々は、地理的、政治的、宗教的な面で、これまでも試練を味わってきた。しかし今日、その状況はまさに瀬戸際である。
 2008年に入り、アフガニスタン情勢は劇的にエスカレートした。すでに3,000人が犠牲となったが、そのうちの半分近くが民間人である。これは、7年前に米国主導の侵攻が行われて以来、最悪の状況だ。外国軍関係者の月あたりの死亡者数はイラクを上回っている。今年に入り、アフガニスタン警察も少なくとも700人の犠牲者を出している。武装勢力は援助機関をターゲットにし、非営利団体のスタッフの死亡者数も2倍になった。
 そしてタリバンが復活している。彼らは、外国人をアフガニスタンの領土から追い出し、欧米諸国の支援を受けるハミド・カルザイ大統領の政府を倒し、シャリーア(イスラム法)を確立することを決意した。近ごろ米軍と英軍の幹部将校たちは、「我々はタリバンと交渉をする必要がある」と繰り返し述べているが、「侵略者とは交渉しない」というのがタリバンの方針である。
 また、タリバンという原理主義者たちは、以前とは異なる行動をとるようになった。国際部隊やアフガニスタン軍の部隊に対して、これまでと同様の武器による戦いを挑んでいるだけでなく、即席爆発装置(IED)を路上に仕掛けるようになったのである。また、以前はアフガニスタンではタブー視されてきた自爆攻撃にも手を染めるようになった。この状況は、まるでイラクの泥沼化と同じ道を突き進んでいるようだ。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください


8 国際部隊の過ち(NI p6-7の翻訳)

ブッシュ、オバマ、マケインの3人は、全員アフガニスタンには国際部隊の増員が必要だと考えている。しかしアフガニスタン人のジャーナリスト、ハバリャルは、このような方針は災難をもたらすだろうと述べる。

 アフガニスタンには、「人々の力は神の力に等しい」という格言がある。それはつまり、「人々の力を無視すれば、危険にさらされる」ということだ。7年前、わずか数千の米軍を中心とした外国の軍隊が、たった2カ月でタリバンを崩壊させたのは、この力のおかげであった。
 今日、ここには当時よりもずっと多くの外国人部隊が駐留し、アフガニスタン人の部隊も配備されている。約40カ国7万人あまりの兵士は、タリバン率いる反政府勢力を打ち負かし、この国に安定をもたらすためにここにやって来た。アフガニスタンのほとんどの州には、何らかの形で国際部隊が駐留している。だが、この国が抱える問題にとって重要な処方せんとなると思われていたこの国際部隊も、現在では失敗の根本的原因とされている。しかしそれでも欧米諸国は、その失敗の道をどんどんと突き進んでいるのだ。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

14 アフガニスタン ─ その事実(NI p14-15の翻訳)

22 人々の心の叫び(NI p18-19の翻訳)

好ましい名称とは言えないが、WHAM(Winning Hearts And Minds)*とは、人の心をつかむという意味の文章の頭文字をとったもので、タリバンや他の反政府勢力と戦う国際部隊の重要な戦略となっている。兵士といくらかの民間人から構成される地方復興チーム(PRT:provincial reconstruction teams)は、学校建設や病院建設などの活動を行っている。彼らはうまくWHAMしているのだろうか?

先日、援助スタッフ、聖職者、ジャーナリスト、地域の首長、公務員など60 人あまりに調査を行った報告書(1)が発表された。その中から意見をいくつか見てみよう。


・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

30 アフガニスタンの歴史(NI p8-10の翻訳)

41 もっと知るためのネタ帳

42 世界の国のプロフィール:セントクリストファー・ネイヴィース(NI p36の翻訳)

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