2009年6月号

NI No.423 & NIジャパン No.111

中国がつくる世界 ─ そのイメージと戦略
China in charge

共産主義と資本主義が同居する中国は、その両方の強みを生かしながら世界の工場として右肩上がりの成長を続ける。その輸出は、資本主義に足を踏み入れた1979年当時と比べると1万%以上の増加である。この成長を支えるアフリカをはじめとする資源外交の現場では、人権や環境を顧みない政府とも「ビジネス」のために密な関係を築き、中国が利益を追求しやすい環境を整えるためにさまざまな形で支援を行っている。

しかし近年中国は、国内の腐敗や悲惨な貧富の差からあからさまな独裁国家支援まで、国内外から多くの批判にさらされている。はたしてこの国は、今後どこへ向かっていくのだろうか。その外交と国内情勢を探る。

このテーマにはこんな本がお勧め!

この号のご注文はこちらから→      セット(英語版&日本語版)    英語版    日本版

日本版PDF版(400円)はこちら
(DL-MARKETのサイトにジャンプします)


● NI No.423 目次 ●


(本文は英語です)


*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳(全訳)もしくは要約記事を掲載しています。


2 読者の声

4 資源外交の現場から<翻訳>
中国の投資によって鉱山開発が進むパプアニューギニアのクルンブカリ。この鉱山では、毎年3万トン以上のニッケルと3,000トン以上のコバルトの産出を見込んでおり、近くに処理工場も建設中だ。しかしその利益が地域に適切に分配される可能性は少ない。現地からのリポート。

8 ソフトパワーの戦略<要約>
孔子が唱え、日本にも4世紀頃から大きな影響を及ぼしてきた儒教が、現在中国で再ブームとなり、世界の研究者も儒教思想に注目する。また、中国語・文化普及のための孔子学院という機関を世界80カ国以上に300以上設立し、それは優秀な留学生集めにも一役買っている。中国の狙いはどこにあるのだろうか。

10 チリの孔子学院
チリは、中国にとってアジア以外では初の自由貿易協定締約国である。その国に初めてできた孔子学院の様子をリポートする。

11 世界の工場では……<翻訳>
1979年の改革・開放政策導入から本格的に世界貿易に組み込まれた中国は、世界の工場として華々しい成長を続けている。この世界の工場の旺盛な消費・生産力をデータで見る。

12 アフリカと竜の息吹<要約>
資源を求めて世界に進出する中国は、さまざまな形でアフリカの独裁政権を支えている。武器輸出や融資だけでなく、政権体制を維持するために兵士や公務員への訓練や研修も行っている。アフリカ資源ビジネスをスムーズに行うための外交戦略の実情と今後についてリポートする。

14 中国を動かしているのは誰?<一部要約>
共産党が頂点に立つ中国。そのダイナミズムの源泉となっている企業家、軍人、公務員、民衆の現状を分析する。
 →この記事をオンラインリポートで読む

16 人民元はドルを駆逐するのか
中東で拡大する人民元の影響とドルの行方について、エジプトの著名な経済学者ゴウダ・アブデル=ハレクが予想する。

18 中国はどこへ向かうのか<一部翻訳>
共産党が中国の権力を握ってから60年、改革・開放政策によって世界貿易の流れに足を踏み入れてから30年、そして北京の天安門で改革運動をつぶしてから20年がたった。これからこの国はどこへ向かうのだろうか。
 →この記事をオンラインリポートで読む

20 中国から米国への工場移転
安い労働力と原材料を求めた工場が中国に移転し、米国の自転車製造業界は空洞化を起こしていた。しかし最近では、中国のメーカーが米国内に製造工場を建設する動きが出てきている。そこにはどんな事情があるのだろうか。


【Special Feature】

21 市民活動を監視せよ:警察の撮影チームとは<要約>

英国で活動する警察の撮影チーム(the FIT: the Forward Intelligence team)は、市民活動の場に入り込んでそこにいる人々を片っ端から撮影し、過剰な監視活動と脅迫行為を行っていると非難を浴びている。さらには、合法な集会やデモの参加者の画像が氏名とともにデータベースとして保管されていることが明らかになった。同様の問題を乗り越えた米国の例と、現在英国で立ち上がった人々の取り組みを伝える。


25 世界のニュース<一部記事を要約>
貧者を囲い込む壁(ブラジル)/8歳の花嫁(子どもの権利)/ベラルーシの報道の自由(メディア)/カーギル社のコメ偽装(食料安全保障)/ほか

27 オンリー・プラネット(4コマ漫画)
金持ちの活力源を食べてみたが…。

28ビッグバッドワールド(風刺漫画)
子どもたちに残す未来。

29 社会を揺さぶる人々
イラクの映画監督ムハンマド・アル=ダラージが、祖国での困難な映画制作の状況を通してイラクの現状を語る。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 南の国からの一コマ
バングラデシュのれんが工場にて。

33 ブラワヨで考える
2カ月の南アフリカ出張からジンバブエに戻った筆者が感じた、この国のインフレ、食料不足、貧困、飢えに苦しむ人々の恐怖感。

34 エッセー:麻薬撲滅作戦の失敗
中南米では、長い時間をかけて多くの人とカネが麻薬撲滅作戦につぎ込まれてきた。しかしいまだに麻薬の問題は解決されていない。筆者は、麻薬合法の道を考える時がきたと主張する。

36 世界の国のプロフィール:トリニダード・トバゴ

NI日本版 No.111 目次

(本文は日本語です)

 


1 資源外交の現場から(NI p4-6の翻訳)


資本主義と共産主義を結合させ、新しい強力な経済システムを構築した中国。世界中の国々が現在その影響力を感じている。クリス・リチャーズが南太平洋の現場から、その影響の実情を伝える。

 村の中心という最高の場所にマンゴーの大木が青々と茂っている。その周りを高床式の小屋が囲んでいる。パプアニューギニアのラロック村の人々は、太陽を遮るその木の下に集まってみんなで話し合い、いくつかの決断を下した。彼らのコミュニティーはこの木のように力強く、民主主義がはぐくまれている。
 ここはまるでパラダイスのようだ。子どもたちは砂浜を駆け回り、私たちが乗った全長6メートルのボートに向かって笑顔で応える。砂浜と熱帯雨林の境界には高いヤシの木が並び、ゆっくりと風にそよいでいる。しかしこのパラダイスに住むことで犠牲になっていることもある。
 まず村人は教育の恩恵を受けられない。カカオ、ココナッツ、竹、バナナ、タロイモ、ヤムイモを売って収入を増やしたくても、その道は閉ざされている。医者にかかってもっと長生きすることも望み薄だ。道路さえあれば、この村は学校や病院、市場とつながることができるのに。必要とされているのは、そんなに長い道路ではなく、地域の首都マダンへつながる、たった35キロメートルほどの道路である。沿岸部土地所有者協会のジョン・ヨン・ボッティ議長は、中国人がその道路の建設費を支払うべきだと言う。
 マンゴーの木の下に輪になって座る村人たちは、その言葉にうなずく。それも当然のことだ。今後20年以上にわたり、中国はパプアニューギニアのこの地域から莫大な量の資源を採堀する予定になっている。13億7,000万ドルが投入されるラム・ニッケル鉱山は、今後20年の間、毎年3万1,150トンのニッケルと3,300トンのコバルトの産出が見込まれている。(1) 鉱石はパイプラインを通り、クルンブカリの採堀場所から135キロメートル離れた工場に送られて処理され、船で中国に運ばれるのだ。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

7 世界の工場では……(NI p11の翻訳)
1979年の改革・開放政策導入から本格的に世界貿易に組み込まれた中国は、世界の工場として華々しい成長を続けている。この世界の工場の旺盛な消費・生産力をデータで見る。

8 ソフトパワーの戦略(NI p8-10の要約)

影響力を強めようとする中国は、文化の輸出にも積極的だ。

 毛沢東の時代には、「古い考え方」で「根絶する」必要があると言われていた儒教は、孔子(紀元前551-479年)が最初に説いた教えである。中国では今ブームが起きており、孔子の言葉を記した論語の解説本が最近では1,000万部も売れている。
 西洋の退廃を嘆きながらも資本主義を取り入れた中国は、思想の空白を埋めようと1990年代に「社会主義的精神を持った文明」という考え方を奨励した。今世紀に入り、「社会的礼節をわきまえる」という言葉が、「調和のとれた社会」と同じく中国首脳部のモットーとなった。孔子ブームは、社会の秩序を保つために共産党が後押ししているという側面がある一方で、中国の在り方を考える人々が歴史的な思想を参考にしているという側面もある。


・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください


9 アフリカと竜の息吹(NI p12-13の要約)

世界の工場であり続けるために独裁者たちを支える中国の足跡。

 チャドとスーダンの国境近くの難民キャンプで、女性たちがためらいながらも服をまくり銃弾や爆弾の破片が貫通した傷跡を見せた。スーダン軍は、ロシア製アントノフ輸送機や中国製武装ヘリで彼女たちの村に中国製破片爆弾を落とした。地上では、ダルフールの非アラブ系部族を殺害するためにスーダン政府が操る民兵組織ジャンジャウィードが、村の男たちを中国製の銃で殺し、女たちを強姦した。スーダン軍兵士は中国製トラックでやって来て中国製武器を使ったという。中国がどこにあるかも知らない村の女性たちも、人々を殺したのがスーダン政権に供給された中国製の武器で、そこに石油がからんでいることは知っている。中国で使用する石油の約7%がスーダンから輸入されている。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

10 中国を動かしているのは誰?(NI p14-15の一部要約)
共産党が頂点に立つ中国。そのダイナミズムの源泉となっている企業家、軍人、公務員、民衆の現状を分析する。

11 中国はどこへ向かうのか(NI p18-19の一部翻訳)
共産党が中国の権力を握ってから60年、改革・開放政策によって世界貿易の流れに足を踏み入れてから30年、そして北京の天安門で改革運動をつぶしてから20年がたった。これからこの国はどこへ向かうのだろうか。

12 アクション! ─ 何かする・もっと知る
日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。

13 日本での動き

〜中国の地域と人々はどう変わり、そこにはどんな支援が必要とされているのか
 いろいろな場所で、多様な考え方に基づき、 課題を乗り越えようと活動する、
 さまざまな個人・団体の話を聞いてみよう

今月のインタビュー団体
NPO法人 日本・雲南聯誼(れんぎ)協会
NPO法人 地球緑化センター

14 今月のフォーカス(NI p21-24の要約)
 市民活動を監視せよ:警察の撮影チームとは
英国で活動する警察の撮影チーム(the FIT: the Forward Intelligence team)は、市民活動の場に入り込んでそこにいる人々を片っ端から撮影し、過剰な監視活動と脅迫行為を行っていると非難を浴びている。さらには、合法な集会やデモの参加者の画像が氏名とともにデータベースとして保管されていることが明らかになった。同様の問題を乗り越えた米国の例と、現在英国で立ち上がった人々の取り組みを伝える。


15 世界のニュース(NI p25-26からの要約)
・8歳の花嫁(子どもの権利)
・ベラルーシの報道の自由(メディア)
・カーギル社のコメ偽装(食料安全保障)

16 編集後記、次号のお知らせ、ほか

NIジャパン目次トップへ



  ●バックナンバーリストへ