NI & NIジャパン最新号のご案内

2010年11月号

NI No.437 & NIジャパン No.125

人間対自然
Humans vs. Nature

微妙なバランスの上で綱渡りが続く人間と自然の関係。例えば、人間の活動の犠牲となったアラル海。かつては世界第4位の大きさを誇ったこの湖も、綿花などの栽培のために川の流路変更が行われ、湖水維持に必要な水が流入しなくなった。そのために湖は著しく縮小し、湖水の塩分濃度は高まり、生物の多くが失われた。だが最近では一部の生態系が回復し、在来種の魚も戻ってくるという明るい状況が見られる。しかしまた一方では、人間の活動が地域の生態系に影響を与え続け、完全な回復は非常に困難ともされる。また、まだ記憶に新しいメキシコ湾原油流出事故。その原因企業である英国の石油メジャーBPは、甚大な環境破壊をもたらしたにもかかわらず、自社の責任を真摯に受け止めていない。あるいは現在、地球環境の破壊を防ぐために、大規模環境破壊を犯罪として国際司法裁判所で裁けるようにするという活動を行っている人々もいる。今月のNIは、人間が自然に残した爪跡について報告するとともに、これからの人間と自然の関係についても考える。


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● NI No.437 目次 ●


(本文は英語です)


*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳(全訳)もしくは要約記事を掲載しています。


4 読者の声


Agenda

6 今月のニュースのタネ
・11月2日米国中間選挙:そのゆくえとその後に来るもの
・11月9日分離壁に反対するパレスチナ人との国際連帯ウィーク:分離壁に反対して世界が団結<翻訳>
・11月11〜12日G20(20カ国・地域)首脳会合:対峙する厳戒態勢の国と活動家
・11月19日世界トイレの日:トイレよりも携帯電話を持つ人の方が多い国
・11月25日女性に対する暴力撤廃の国際デー:メキシコ人は女性への暴力がなくなることを望んでいる<翻訳>
・25年前の今月、NIは何を伝えたか……



Applause

10 鉱山企業を打ち負かした山岳民族
アルミの原料となるボーキサイトが眠る、インドのオリッサ州の山岳民族が住む丘陵地。その鉱山開発に向けて動く多国籍鉱山会社に対し、自然の恵みに頼った生活を送る先住民族は反対運動を展開し、環境や人権の活動家からも多大なバックアップを受けた。しかし形勢は不利で、開発は不可避かと思われたが……。


Analysis
Special feature: Humans vs. Nature


11 人間と自然の結びつきを改めて考える<翻訳>
私たちは、人間の活動が原因となって変わりゆく自然を目の当たりにしている。その活動とは経済と消費にまつわるもので、それらに目を奪われた人間は、人間と自然の不可欠なつながりを意識しないよう切り離して考える。自然に依存して生きる以外術のない人間は、今後どうなってしまうのか。

12 アラル海の復活と死<翻訳>
かつては世界で4番目に大きな湖だったアラル海。しかし、旧ソビエト時代に行なわれた川の流路変更により、その面積は2割以下になってしまった。20世紀最大の環境破壊のひとつと言われるアラル海の現状と見通しについて報告する。


16 原油流出事故の不透明な後始末と石油社会のゆくえ<翻訳>
今年4月、メキシコ湾で操業していた英国の石油メジャーBPの石油掘削装置が爆発し、膨大な原油が流出した。一時は毎日のようにメディアを賑わしたこの事故に関するニュースも、最近ではほとんど報道されることはない。しかしだからといって、問題が解決したわけではない。流出した膨大な原油とそれを拡散するために用いられた大量の分散処理剤が生態系にもたらす影響は、実はよく分かっていないのだ。このような状況で、主流派のメディアはなぜ報道と追及をやめたのだろうか。

19 環境破壊を犯罪として裁く<翻訳>
企業が大規模な環境破壊を起こしても、科すことができる罰は法人への罰金程度である。それでは抑制効果がないため、法人トップを責任者として裁く法律が必要である。大規模環境破壊を犯罪として国際刑事裁判所で裁こうと取り組む活動について。


21 パズルページ
クロスワード、数独、ワードサーチ。


Also in Analysis

22 ビルマ市民の借金術

親類から質屋まで、生活費や商売のための費用を毎日あわただしく工面する、ビルマ都市部の貧しい人々のサバイバル術。

25 南の国からの一コマ
エクアドルのビーチで楽しむひととき。

26 米国に正義を求める
ベトナム戦争で使用された枯葉剤。その影響はいまだにベトナムの人々を苦しめている。米国に責任ある対応を求めるベトナム枯葉剤被害者協会(VAVA)のダン・タン・ニャットに話を聞いた。

28 世界の国のプロフィール:グルジア


Argument

30 公共サービス削減は正しい対応策なのか?
台所事情の苦しい国家は、現在の経済学主流派の考え方を反映し、公共サービスの削減を真っ先に行おうとする傾向が世界中で見られる。国家として、果たしてそれは正当化できるものなのか?


Alternative

34 インドで普及する省エネ七輪<要約> ほか


36 風刺漫画コーナー
これまでのビッグ・バッド・ワールド、オンリー・プラネットに加え、ビデオジャーナリストとマンガ家の国際ネットワークVJ Movementから提供された作品を毎月1つ掲載する。

37 Anna Chenのエッセー
英国で女優、脚本家、詩人、歌手、武術家などとして幅広く活躍するAnna Chenが、さまざまな話題をつづる。今回は、人間にとっての現実とその構築について考える。

38 インタビュー:マーガレット・アトウッド
カナダの作家で数々の文学賞を受賞し、日本でもファンの多いマーガレット・アトウッド。行動主義、文学の対象としての女性、文壇における男性の地位について語った。


NI日本版 No.125 目次

(本文は日本語です)

 

1 人間と自然の結びつきを改めて考える(NI p11の翻訳)
私たちは、人間の活動が原因となって変わりゆく自然を目の当たりにしている。その活動とは経済と消費にまつわるもので、それらに目を奪われた人間は、人間と自然の不可欠なつながりを意識しないよう切り離して考える。自然に依存して生きる以外術のない人間は、今後どうなってしまうのか。


2 アラル海の復活と死(NI p12-15の翻訳)

史上最も素晴らしい環境回復と、もうひとつの生態系の悲劇。アラル海のこの2つの側面を、カザフスタンからポール・ローエンナが報告する。

 農業用水として利用するため、アラル海に流れ込む河川の流れを変える。そんな決定が下されたのはソビエト連邦時代だった。ほんの10年前まで、その決定は致命的なものになると考えられていた。アイルランドほどの大きさだったこの湖も流路変更によって小さくなっていき、船の墓場と化し、魚も仕事も失われたのである。
 しかし、ダムを建設してから5年たった現在、河川からの新鮮な水が小アラル海として知られるアラル海北部を再び満たし、回復力たくましい地元の魚も戻ってきている。
 カザフスタンのアラル地域の漁業が過去の繁栄を取り戻せるかもしれない。小アラル海の変化はそんな期待を高めてくれる。かつてアラル海の魚はレーニンにも届けられていたのだ。
 「現在はすべてあります」と言うのはバティルハン・トゥレケイエフ。彼の後ろに大きな音をたてて流れるのは、小アラル海からコカラルダムを経てあふれ出た水である。彼は現在50隻の漁船からなる船団を所有し、150人の労働者を雇っている。「以前ここには何もありませんでした。死の海でした。町も村もまるごと移住していきましたが、それらもまた戻ってきています」

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

6 原油流出事故の不透明な後始末と石油社会のゆくえ(NI p16-18の翻訳)

メキシコ湾では2種類の汚染除去作業が行われている。ひとつは実際の作業。もうひとつは、私たちが化石燃料への幻想を抱き続けられるようにするための作業である。どちらにも問題があると言うアダム・マーニットが、その理由を報告する。


 石油掘削装置ディープウォーター・ホライゾンがメキシコ湾で爆発を起こし、作業員11人が死亡、掘削中の中新世[訳注:約2400万年前から500万年前までの時代]の地層からは原油が流出した。それからだいぶ時間が経ったが、この災害が及ぼす影響の全容についてはほとんど分かっていない。事故から1カ月の時点では、その後にもたらされるであろう打撃の大きさを疑う声もあった。5月後半、事故を起こした英国の石油メジャーBPの当時の最高経営責任者(CEO)だったトニー・ヘイワードは、恥ずかしげもなく次のように語った。「この災害の環境への影響は非常にごく限定的なものになるでしょう」
 健康と安全に関する産業界の基準からいっても、米国におけるBPの記録はすでにひどいものだった。テキサスシティーのBPの精製所において続いた違反に対する非難は、今でも耳にする。この精製所では2005年に爆発があり、作業員15人が死亡し100人以上が負傷した。またアラスカでは、流出とずさんな保守管理に対して記録的な罰金が科せられた。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

9 環境破壊を犯罪として裁く(NI p19-20の翻訳)

かつてはロンドンで野心あふれる法廷弁護士だったポリー・ヒギンズ。今では環境保護運動家となり、大規模環境破壊がエコサイド(ecocide環境を殺すこと)という犯罪として認められて国際刑事裁判所で裁かれるよう働きかけている。

エコサイドについて、大量虐殺や戦争のように、国際的な「平和に対する犯罪」と定義していますが、それはなぜですか?
 現在の気候変動交渉は、地球の損害、破壊、汚染に対して取り組むためのものではありません。どの交渉も表面的な症状、つまり温室効果ガスの余分な排出量の対策に焦点を絞っています。これを、おう吐という症状のある子どもの例で考えてみましょう。現在の動きは、子どもの病気の原因を治しておう吐を止めようとするものではありません。それは、症状を緩和する方法(炭素排出量を段階的に削減する)を探ったり、不要なおう吐物を利用したり(「炭素取引」)、それを目に見えないところに集めて隠して炭素の回収・貯留と呼んだりすることなのです。現在行われているのは、損害を根本的に防ぐ仕組みの導入というよりは、損害でカネもうけをする仕組みの導入です。


・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

11 日本での動き
●足尾の森の破壊と回復から考える
かつて世界有数の銅輸出国だった日本。その一翼を担い、日本の近代化にも貢献した足尾銅山。しかし鉱毒被害から森林破壊まで、その代償は大きく、現在もはげ山のままとなっている森林の再生にはあと100年、200年かかるとも言われている。現在も日本国内にその爪跡を残す資源開発。しかし資源の大輸入国となった今、その爪跡は海外に残されている。足尾に緑を回復する活動と足尾の歴史から、資源開発と自然破壊について考える。
<NPO法人 足尾に緑を育てる会>

13 アクション! ─ 何かする・もっと知る
・日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。

14 世界のニュース
・分離壁に反対するパレスチナ人との国際連帯ウィーク(NI p7からの翻訳)
・インドで普及する省エネ七輪(NI p35からの要約)
・女性に対する暴力撤廃の国際デー(NI p9からの翻訳)

16 編集後記、次号のお知らせ、ほか

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