2011年5月号

NI No.442 & NIジャパン No.130

温暖化なんてウソだと言うあなたへ
Climate change denial - Busting the myths

人為的要因による地球温暖化と気候変動が自然と人間を脅かしていることは定説となっており、多くの科学的なデータがそれを証明している。しかし一方で、そんなデータや現実を真っ向から否定する意見も耳にする。もしもそんな主張を繰り広げる人々に出会ったとき、それにどう反論し、彼らにはなんと言って説明したらよいのだろうか? 今月は、否定論者がよく繰り広げる主張に対し、データと図表も使いながら、彼らにも分かりやすい解説を掲載した。そしてまた、否定する人々の心理と事情についても説明する。

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● NI No.442 目次 ●


(本文は英語です)


*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳(全訳)もしくは要約記事を掲載しています。

4 読者の声

6 今月のニュースのタネ
・サイを救えサミット(5月4日):がん「治療」のため密猟で残虐に殺されるサイの現実。南アフリカからの報告。<要約>
・メーデー(5月1日):倒産して解雇された工場労働者たちが自ら工場を運営し、再生を図る取り組みが広がっている。
・世界報道自由デー(5月3日):報道の自由への遠い道のり。
・世界経済フォーラム・アフリカ会議(5月4〜6日):農業ヘの取り組みが足りないと批判される世界経済フォーラムと、途上国の零細農民について。
・ガザ自由船団2の出航(5月31日):ガザの不法な海上封鎖解除に取り組まない各国政府に代わり、各国市民が中心となってガザを支援する船団が今年も出航する。
・反原発議論が高まるフクシマ後の日本:反原発に取り組んできた日本の市民団体は、以前から日本の電力会社の隠ぺい体質を指摘し、今回のような事故の可能性を警告してきた。
 →関連記事2011年4月号のNI日本版「日本での動き震災特別編
・「もう絶対に汚物掃除はしない!」:掃除人のカーストで、手作業による汚物清掃を代々強いられてきたインドのバルミキの人々が立ち上がった。
・25年前のこの月に、NIは何を伝えたか……


◆特集:気候変動否定論者

12 否定論者からのよくある質問<翻訳>
気候変動(そして地球温暖化)否定論者は何を信じ、何を考え、何を疑っているのだろうか。彼らは例えば、その現実は本当なのか、それは人為的原因によるものなのか、その影響は実は大したことはないのではないか、等と問いかける。ここでは、彼らの問いかけと主張に対して、一つ一つ分りやすく解説し、反論する。

20 気候変動 ― その事実<翻訳>
史上最も暑い1年、自然災害発生件数、北極の海氷面積の減少、世界各国の現在の排出量とこれまでの累積排出量、そしてその責任についてデータで見る。

21 気候変動否定論者の心理と事情<翻訳>
否定論者はなぜ否定するのか? その5つの理由。

22 期待されるシェールガスの真実
新たな天然ガスとして期待が高いシェールガス。水平坑井や水圧破砕採掘法でけつ岩(シェール)層を砕いてその中のガスを放出させて採掘を行う。原油価格高騰だけでなく、この新技術でコストが下がったこともあり、シェールガスにビジネスの期待が集まる。しかしその掘削方法ゆえ、深刻な地下水汚染、微震誘発、当初考えられていたよりも高い二酸化炭素排出量などが大きな問題となっている。

24 エジプトのデジタル革命とこの国のゆくえ
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で世界に出来事を伝える新しい世代の市民記者、ジジ・イブラヒムがエジプトの市民革命について報告する。
→この記事を読む
→英語の記事はこちらで読むことができます

25 町中での収穫を楽しもう
英国では果樹を植える自治体が増えている。果樹は放置しておけば町を汚してしまうだけだが、市民グループなどが収穫して利用すれば果物の自給率アップにもつながるのだ。
参考文献(PDF):Abundance Handbook - A guide to Urban Fruit Harvesting (Learning from our experiences of harvesting in Sheffield)

25 より美しい社会を目指して<要約>
町中を毛糸で落書きするニット・グラフィティ・アーティストが、「地球を温かみのある場所にする」活動を世界各地で展開。
Yorn Bombingのサイト

26 パレスチナ分離壁を歩く
イスラエルがパレスチナを封じ込めるために建設している分離壁。マーク・トーマスがその全長750キロの壁に沿って歩いた記録を近著Extreme ramblingから抜粋。

29 米国で考える
Foreign Policy In Focusの上級アナリスト、マーク・エングラーが、世界の現象と問題を分析する。今月は、所得格差が広がる一方で、労働組合の弱体化が進む米国社会の階級闘争について。

30 世界の国のプロフィール:インド

32 激論! タリバンとの対話はアフガニスタン女性への裏切り行為なのか?
アフガニスタンからの米軍撤退が開始されるまであとわずかとなったが、タリバンとの交渉は暗礁に乗り上げたままである。タリバンが米軍撤退とともにその勢力を拡大するのは必死だが、それは女性たちにどんな将来をもたらすのだろうか。どちらも平和と正義のために活動する2人の活動家と開発ワーカーが、腐敗したアフガニスタンの現状とタリバンがもたらすインパクトについて火花を散らす。

35 パズルページ
クロスワード、数独、ワードサーチ。

36 風刺漫画コーナー
ビッグ・バッド・ワールド、オンリー・プラネットに加え、政治マンガ家とコミック・ジャーナリストの国際ネットワークCartoon Movementからの作品を掲載。

37 カイロからの手紙
カイロの解放広場前に集まって抗議活動を続ける人々の熱狂と高揚感。しかしそこにも、時間が経つにつれて変化が見られるようになった。


38 インタビュー:モニカ・アリ
デビュー作Brick Laneで3つの賞を受賞し、2つの賞では受賞候補に上ったモニカ・アリ。このインタビューでは、国際女性デー創設から100年経っても一向に向上しない女性の地位に憤り、多忙を極め興味のある多くのことが手つかずであると嘆く。また、ダイアナ妃をモデルとした新作についても語った。

NI日本版 No.130 目次

(本文は日本語です)

 

1 否定論者からのよくある質問(NI p12-19の翻訳)
気候変動(温暖化)否定論者のおかしな主張はどこが間違っているのか、正しくはどう説明すればいいのか、ダニー・シバーズが解説する。

 私は、懐疑論者には敬意を払っている。
 懐疑論者は、表面的なことだけで判断を下さない人々だ。彼らは事実を求め、証拠となる物事を評価し、その結果によって意見を変える心構えができている。それがたとえ個人的な好みや信条に反していたとしてもである。私自身にも多少は懐疑論者的傾向があると思いたい(しかしそれを確信するにはもう少し証拠が必要だ)[訳注1]。
 一方、否定論者は、自分の信条や欲求、またはイデオロギーに反する証拠を受け入れることを拒否する。そんな人々は、論拠の弱い理由と言い訳を並べて否定するのだ。そうすれば彼らは、不都合な真実は何であれまったく認めずに済むのである。
 適正な懐疑論であれば、人間の活動が原因となっている気候変動が現実のものであり、それが深刻な状況にあることに疑問を投げかけることはできないだろう。私たちの前には圧倒的な証拠が示されている。しかし多くの人々は、多様な理由から依然として気候変動を否定している。さまざまな世論調査を見ると、幸いなことに一般の人々の多くが気候に起因する問題の現実を受け入れている。(1) しかし、気候変動を深刻なものとして考える人々の数は、いくつかの国では減少しているようだ。(2) 私たちがクライメート・ジャスティス[訳注2]に向けた世界規模の運動を盛り上げ、それが継続していくことを望むのであれば、否定論の問題に取り組む必要がある。
 今回は、気候変動否定論に真っ正面から取り組んでいくために役立つ理論武装を紹介しよう。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

10 気候変動 ― その事実(NI p20の翻訳)

過去の排出量

 この表は、各国がこれまで排出してきた過去の排出量を累積したものを現在の人口で割って求めた「過去の累積排出量から見た人口1人当たりの排出責任量」である。現在各国の人々が享受しているライフスタイルを達成するために、それぞれの国が1850年からどのくらいの二酸化炭素を排出してきたのかを示している。(3) これを見ると、英国、米国、ロシア、ベルギー、ドイツの人口1人当たりの二酸化炭素排出量が1,000トン近くかそれ以上であることが分かる。これらの国々は、歴史的に見て二酸化炭素排出量に関して最も重い責任を負うということだ。このグラフに示されている国はヨーロッパと北米がほとんどで、インドと中国はこの上位20カ国には入っていない。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

11 ビッグ・バッド・ワールド(NI p36からの翻訳)
Moral High Groundからの眺め。


12 気候変動否定論者の心理と事情(NI p21の翻訳)

1.プロの反対屋

 プロとして反対するグループは比較的少数派で、著名なジャーナリスト、作家、政治家、有能な気候学者の中に1〜2名いる、まるで気候科学への挑戦に全力を傾けているかのような学者で構成されている。彼らはテレビやラジオに次々と出演し、もっともらしい理由を並べ、気候変動は実は起こっていない、または状況はそんなに悪くはないなどと説明する。彼らの主張のほとんどは、きちんとした検証に耐えられるようなものではないが、それでも彼らは主張をやめずに繰り返す。(1)


・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

13 日本での動き
●温暖化を否定する書籍から考えたデータを扱う時の落とし穴
地球温暖化を議論する場合、科学的データによる論証は避けられない。しかしそのデータへの理解不足、持論補強のためだけの歪曲した解釈は、有効な議論の障害になるだけでなく、地球温暖化の正しい理解をも妨げてしまう。

14 ニュース&オルタナティブ
・より美しい社会を目指して(NI p25からの要約)
町中を毛糸で落書きするニット・グラフィティ・アーティストが、「地球を温かみのある場所にする」活動を世界各地で展開。
・サイを救えサミット(5月4日)(NI p9からの要約)
がん「治療」のため密猟で残虐に殺されるサイの現実。南アフリカからの報告。
・ガザ自由船団2の出航(5月31日)(NI p6からの要約)
ガザの不法な海上封鎖解除に取り組まない各国政府に代わり、各国市民が中心となってガザを支援する船団が今年も出航する。
・「もう絶対に汚物掃除はしない!」 (NI p11からの要約)
掃除人のカーストで、手作業による汚物清掃を代々強いられてきたインドのバルミキの人々が立ち上がった。


16 編集後記、次号のお知らせ、ほか


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