2011年10月号

NI No.446 & NIジャパン No.134

狙われる豊かな自然と先住民族の怒り

Nature's defenders - Can indigenous people save the planet?


ダム、石油、天然ガス、鉱物資源、木材、薬効植物、プランテーション建設…。さまざまな理由で、豊かな森林やその土地が狙われている。特に、森の恵みに頼り、今でも固有の価値観を保ちながら伝統的な暮らしをおくる先住民族にとって、森の破壊や強制的な移住は死活問題である。豊かな自然の中に先祖代々暮らしているというだけで、企業の利潤追求方針と国家の都合にほんろうされ、より困難な状況に追い込まれる先住民たち。今月は、ペルー・アマゾンを訪ね、ダム建設をめぐって企業、国と対立し、厳然たる決意で渡り合う先住民族の現状と問題を報告する。

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● NI No.446 目次 ●


(本文は英語です)


*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳(全訳)もしくは要約記事を掲載しています。

4 読者の声

6 今月のニュースのタネ
・パンチャシラの日(10月1日)
忘れられたインドネシアの虐殺。
・世界ハビタットデー(10月3日)
下水の浄化水による野菜作りで成功したケニアのスラム住人。
・掘っ立て小屋に住む人々の勝利
約束を破って土地を取り上げようとした政府へ抗議した人々の抵抗。
・アフガニスタン侵攻から10年(10月8日)<翻訳>
本当の正義にいまだ手の届かないアフガニスタンの女性たち。
・ヨーロッパの「怒り」による行動の日(10月15日)
5月からふつふつと燃えたぎるスペインの怒りがヨーロッパ中に広がる。
・世界人口70億人へ(10月31日)<翻訳>
人口の時限爆弾とはホラ話? それともホラー話?
・ソマリアの飢餓は誰のせいなのか<翻訳>
支援物資の不足でも気候のせいでもない。それは、純粋に政治のせいである。
・20年前のこの月に、NIは何を伝えたか……


◆特集:先住民族vs企業権力


12 衝突する守護者たち<翻訳>
自然を守ろうとする守護者と、企業利益と資本主義原理を守ろうとする守護者の衝突が起こっている。

14 命を懸けた闘い<翻訳>
ペルーの首都リマから車とボートで21時間のアマゾンの奥地に入った本誌バネッサ・ベアード。そこには、発電用ダムの建設計画によって、先祖代々の土地と生活に欠かせない自然を奪われる危機に直面しているアシャニンカ民族がいた。彼らがダム建設に強硬に反対する理由とは。

19 環境のディフェンダーってどんな人たち?<一部翻訳>
ペルーでは、多くの人々が環境を守るために闘っている。そんな守護者(ディフェンダー)の一部を紹介しよう。

22 現実にもあるアバターの世界<翻訳>
2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督の映画『アバター』。その舞台は、うっそうとした森に覆われた衛星パンドラ。そこには青い皮膚を持つ住民がいるが、彼らは希少鉱物を探しに来た人間たちに対処せざるを得なくなった。ファンタジーの世界だが、この映画のテーマが浮き彫りにするのは、外部の人間の手によって破壊がもたらされる先住民族コミュニティーの経験である。しかし現実の世界では、先住民族は法律と国際的な連帯によって組織的に動き、企業の力に対抗する。世界からそんな闘いをいくつか紹介しよう。

24 農業はイエス! 鉱山はノー!
鉱山に対して先住民族が主導する抗議活動が、ここ数週間ペルー南部を揺るがしている。思いがけず激化したその動きの背景を探る。

28 異なる想像力<翻訳>
現代的な社会とは異なる暮らしをし、資本主義や西洋的なものとは異なる価値観を土台としたコミュニティーを作って暮らす人々。そんな人々の存在や、彼らの考えを想像することが今、求められているのではないだろうか。

29 シンプルなアイデアが導くより良い将来<翻訳>
開発途上国に最適な次世代の自己調整式眼鏡。



30 世界の国のプロフィール:ガンビア

32 給料に上限を定めるべきか?
今日、超大富豪とその他大勢の人々との間に横たわる格差は、かつてないほど大きくなっている。そんなハイパーリッチが手にするあまりにも大きな富、資源、権力、影響力に対し、人々は厳しいまなざしを向けている。では、もしも収入に上限を設ければ、社会的なバランスをとることにつながるのだろうか。

35 パズルページ
クロスワード、数独、ワードサーチ。

36 風刺漫画コーナー
ビッグ・バッド・ワールド、オンリー・プラネットに加え、政治マンガ家とコミック・ジャーナリストの国際ネットワークCartoon Movementからの作品を掲載。

37 カイロからの手紙
混沌(こんとん)の中で翻弄(ほんろう)されるエジプトの人々。しかし、秩序よりも混沌に望みが持てるとマリア・ゴリアは言う。


38 インタビュー: デヴィッド・ランドール
プロデューサー、作曲家、Faithlessのギタリストで、Slovoのメンバーでもあるデヴィッド・ランドール。彼の作品を通して見る世界について語る。

NI日本版 No.134 目次

(本文は日本語です)

 

1 衝突する守護者たち(NI p12-13の翻訳)
真の「文明の衝突」を見たバネッサ・ベアードが報告する。

 ニュースで大きく取り上げられることもほとんどない衝突がある。しかしそれには、私たちにとって非常に深い意味を持つ分岐点が含まれている。
 一方の道を進むと、世界中の森林、高地、平原など、荒々しい自然の中に暮らす人々がいる。彼らは先住民族で、西洋の基準や平均からすれば最貧層に属し、非常に隔絶された場所に暮らすが、自分たちのことを自然の守護者だと考えている。
 もう一方の道を進めば、大手企業の役員室や企業を支える政府など、荒々しい資本主義の中で地位を占める人々がいる。中でも頂点に立つのが巨大産業であるエネルギー、鉱山、銀行といった業界で、自らを成長と消費主義の守護者だと考えている。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

2 命を懸けた闘い(NI p14-18の翻訳)

エネ川沿いに住むアシャニンカ民族。彼らがダム建設に強硬に反対している事情を、バネッサ・ベアードが報告する。

 どん欲、強欲、そしてなんと言っても賢く立ち回る巨大な人食いワシ。そんなワシがパキッサパンゴという名前の由来になっている。この話は、近代的な世界の仕組みを作り上げてきた者たち全員に対する教訓となるのかもしれない。
 地元の言い伝えによればこのワシは、長い間ペルーのアマゾンのエネ川沿いに住むアシャニンカ民族を恐怖に陥れてきた。
 だがついに人々は、粘土を使って等身大の本物そっくりの人間型おとりを作り、ボートに乗せてワシが住む場所に送り込んだ。ワシがその粘土のおとりをつかみ爪を食い込ませると、たちまち身動きがとれなくなり、人間たちはワシを殺すことができたのである。ワシの羽根が川に落とされ、それが流れ着いた場所にアシャニンカが住み着いたという。
 川を5時間さかのぼった後、止まっているボートの中で待っている間、私はこの物語について考えていた。待っていたのは、「ワシの家」という意味のパキッサパンゴの渓谷をさらに進む許可をもらうためだ。
 首都のリマから陸路とボートで21時間という長旅。その渓谷の間近まで来て期待に心が躍る。それは、川の次のカーブの先にあるのだ。
 私と、旅の同伴者である2人のフランス人フリーランスジャーナリストは、日没前にその渓谷の写真が撮れると期待していた。まさに今、光の状態は素晴らしく、川の景色は夢のように美しかった。
 しかし、この地域に持ち上がっている公式の計画は、そんな見事な景観とはかけ離れたものだ。計画には、高さ165メートルの水力発電用ダムの建設も含まれ、ダム完成の暁には、アシャニンカ民族の暮らしに欠かせない森林、耕作地、水路が734平方キロ(18万1,375エーカー)にわたって沈む。少なくとも10の村が水没し、1万2,000人が影響を受け、そのうち1万人が先住民族である。(1)

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

8 環境のディフェンダーってどんな人たち?(NI p19-21の翻訳)
ペルーでは、多くの人々が環境を守るために闘っている。そんな守護者(ディフェンダー)の一部を紹介しよう。


9 現実にもあるアバターの世界(NI p22-23の翻訳)

2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督の映画『アバター』。その舞台は、うっそうとした森に覆われた衛星パンドラ。そこには青い皮膚を持つ住民がいるが、彼らは希少鉱物を探しに来た人間たちに対処せざるを得なくなった。ファンタジーの世界だが、この映画のテーマが浮き彫りにするのは、外部の人間の手によって破壊がもたらされる先住民族コミュニティーの経験である。しかし現実の世界では、先住民族は法律と国際的な連帯によって組織的に動き、企業の力に対抗する。世界からそんな闘いをいくつか紹介しよう。

インド

インドでは、ロンドンに拠点を置く巨大鉱山企業ベダンタ社に闘いを挑んだドングリア・コンド民族が勝利を収めた。ドングリア・コンド民族から激しい抗議を受けたインドの環境省は、ベダンタ社に対するオリッサ州ニヤムギリ丘陵地帯の採掘許可申請を却下した。それに対してベダンタ社は裁判を起こした。ところが数人の投資家が、人権と環境に関するベダンタ社の過去の行いに抗議するため、同社から4,000万ドルの投資を引き上げたのである。
詳細>■Survival International


・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

12 異なる想像力(NI p28の翻訳)
現代的な社会とは異なる暮らしをし、資本主義や西洋的なものとは異なる価値観を土台としたコミュニティーを作って暮らす人々。そんな人々の存在や、彼らの考えを想像することが今、求められているのではないだろうか。

13 ニュース&オルタナティブ
・シンプルなアイデアが導くより良い将来(NI p29の翻訳)
開発途上国に最適な次世代の自己調整式眼鏡。
・アフガニスタン侵攻から10年(10月8日)(NI p8の翻訳)
本当の正義にいまだ手の届かないアフガニスタンの女性たち。
・ソマリアの飢餓は誰のせいなのか(NI p11の翻訳)
支援物資の不足でも気候のせいでもない。それは、純粋に政治のせいである。
・世界人口70 億人へ(10月31日)(NI p10の翻訳)
人口の時限爆弾とはホラ話? それともホラー話?

16 編集後記、次号のお知らせ、ほか


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